
ギターで「カッティング」ってどうやるの?曲の中でどう使ったらいいの?
そんな疑問を持つ方は多いはず。
カッティングとは、ミュートとブラッシングを組み合わせた奏法です。「チャカチャカ」や「ジャキジャキ」といったリズミカルな音が出ます。
カッティングはアコースティックギターとエレキギターの両方で使われ、さまざまなジャンルで取り入れられます。
通常のストロークの間にカッティングを入れることでリズミカルな演奏が可能になります。
この記事では、カッティングの基本から応用技術までをわかりやすく解説。具体的な練習方法や演奏例も紹介します。
「音にメリハリをつけたい」「プロっぽい表現をしたい」と思っている方は、ぜひ最後まで読んで、ギターの表現力を一段階アップさせましょう!
ギターのカッティングとは、リズムを強調した鋭い奏法

ギターのカッティングはリズム感を強調するギター奏法です。弦を鋭くかき切るような演奏なので「カッティング」と呼ばれます。カッティングは、音楽ジャンルによらず幅広く使用されます。
ギターカッティングの目的
ギターカッティングの目的は、曲のリズム感を強めて楽曲全体の雰囲気を引き締めることです。リズミカルに弦を刻むため、楽曲に動きをつけるのに効果的です。ミュートと同じように、カッティングをすることでギターがリズム楽器になり、ドラムの「スネア」のような役割を果たします。
表現力豊かな演奏スタイルにするためには、さまざまなカッティングパターンを習得しましょう。音楽の中に新たな発見や喜びが見つかります。
ギターカッティングの基本テクニック

ギターカッティングは、ミュート技術とブラッシング技術の組み合わせを基本とする奏法です。
カッティングの基本的なやり方は以下の通りです。
- 左手でミュートする
- 右手でピックを持ち、弦を切るように素早くストロークする(ブラッシング)
- チャッという軽い音が出ればOK
カッティングは左手のミュート技術が中心となりますが、右手の動きによっても表現が変わります。また、左手と右手のテクニックを組み合わせることで、より多彩なカッティングが可能になります。
まずは左右の基本的なカッティングテクニックを繰り返し練習し、カッティングが自然と体になじむようにしましょう。
左手のカッティングテクニック
左手のカッティングテクニックは「ミュート」が重要な要素です。以下のような動きで弦をミュートします。
- 左手でネックを軽く握ります
- その際、親指はネックの裏にまわし、他の指4本で1〜6弦をやさしく包みこみ弦をミュートします
- この状態で右手でストロークすると、「チャッ」というパーカッシブな音が出ます
左手でミュートする際に、注意点がひとつあります。
指が5フレット、7フレット、9フレット、12フレット付近にかかっているとハーモニクス音が鳴りやすくなるので、ミュートをしていても「ポンポン」といった音が出てしまいます。
そのため、ミュートする際は1〜4フレット付近を押さえることをおすすめします。
このまま8ビートや16ビートでストロークしてリズムを刻んだり、サビ前のブレイクとして一発だけ使うなど、様々な使い方が可能です。
あとは、下記のように「1拍目だけコードをしっかり鳴らし、その後はカッティングで刻む」といったアプローチもあります。

ギターソロのときのバッキングギターはこんなかんじが多いですね。
コード→カッティング→コード→カッティングを繰り返すとコードを押さえる指が忙しく感じるかもしれません。
左手のテクニックを習得すると、ギターカッティングが上達します。
» ギターコードの基本から学ぶ!コードの押さえ方や練習方法を詳しく解説
右手のカッティングテクニック
右手を使ったカッティングテクニックは、ブラッシングとパームミュートです。すでにミュート奏法に慣れている方であれば、比較的早く習得できると思います。
以下のような動きで、ブラッシングとパームミュートを同時に行います。
まずはブラッシングから説明します。
- 左手で弦をミュートした状態で、右手で1〜6弦をストロークする
- リズムパターンに応じてピッキングの速さを調整する
「チャッ」や「ジャッ」のような音になればOKです。
次にパームミュートです。
- ピックを持ち、ストロークの構えをします
- 右手のひらの小指側でギターの弦を叩きつつグッと押さえつけるような動きをします。
- 押さえつけられた弦がフレットに当たり「チャッ」という音が鳴ったら成功です。
ブラッシングとパームミュートの両方で「チャッ」というきれいな音が出ます。
「2拍目」と「4拍目」のタイミングで「チャッ」と入れることで、スネアのような存在感をつけることができます。
そのため弾き語りのライブでは、2拍目と4拍目にカッティングを入れると手拍子を誘いやすくなります。
さらに左手のミュートも併用するときれいな「チャッ」という音が出ます。右手でパームミュートとブラッシングをしつつ、左手はコードを押さえる指の力を一瞬抜きましょう。
コツは、右手で瞬間的に弦を押し下げることで弦をフレットに当てて「チャッ」という音を出すことと、コードを押さえた左手の指の力を一瞬抜くことです。
ミュート奏法も一緒に身につけたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。
» ギターミュートの種類と使い方を詳しく解説!
ギターカッティングの種類とスタイル

さまざまな音楽ジャンルで、異なったカッティングスタイルが存在します。特徴あるギターカッティングのスタイルは以下のとおりです。
- ロックスタイルのカッティング
- ファンクスタイルのカッティング
- ジャズのカッティング
ジャンルに適したカッティングを学ぶと、表現の幅が広がります。スタイルによって独特のアプローチと技術が求められるため、基本から応用まで丁寧に学びましょう。
ロックスタイルのカッティング
ロックスタイルのカッティングは、パワーコードで力強い演奏が特徴です。一般的にはエレクトリックギターに歪みをかけ、ストロークで強くリズムを刻む手法が使われます。
リズム感が重要です。リズムに乗りながら力強くコードを刻み、ロックらしさを表現しましょう。
» ギターコードの基本から応用まで徹底解説
ファンクスタイルのカッティング

ファンクスタイルのカッティングは、コードが特徴的です。
ディミニッシュコードやツーファイブのコード進行が繰り返し演奏されることが多いです。その中で2拍目と4拍目にカッティングを入れることがあります。
主にクリーンなトーンを使って、エフェクトペダルで細かく音の調整をすると、洗練された音色になります。ミュートを組み合わせるとリズムのアクセントが際立ち、曲に動きが出ます。コードの進行に沿って複雑なリズムパターンを生み出すのが一般的です。
ファンクスタイルのカッティングは、リズムを刻むだけでなく、踊り出したくなるようなグルーヴを生み出します。
ジャズのカッティング
ジャズのカッティングの基本は4つ切りです。
4つ切りというのは、ダウンピッキングで1拍ずつコードを鳴らす方法です。特に2拍目と4拍目にアクセントを入れてピッキングをします。
毎拍のダウンピッキングの直前にアップピッキングでカッティングを入れるテクニックがあります。
ダウンピッキングの直後にコードを押さえる指の力を抜き、ミュートした状態でアップピッキングするときれいにカッティングできます。
ギターカッティングの練習方法

練習としては、さまざまなリズムパターンにカッティングを取り入れて遊んでみるのがおすすめです。基本的なコードやストロークから、徐々に複雑なリズムパターンへ進みましょう。
少し慣れてきたところで実際の曲に合わせて練習すると、応用力が身につき自然とカッティングが上達します。
メトロノームを使った練習も良いと思います。
8ビートでカッティングを練習しましょう
8ビートでのカッティングは「ジャースチャーチャスチャ」です。
「ス」のところがカッティングです。このストロークパターンだと「2拍目と4拍目」ですね。
最初は1コードで繰り返し練習し、慣れてきたらコードチェンジしてみましょう。
16ビートでカッティングを練習しましょう
16ビートでのカッティングは「ジャンジャンジャーチャチャスチャチャンチャーチャチャ」です。
このストロークパターンだと「3拍目」にカッティングが入りますね。
同様に、1コードで練習し慣れてきたらどんどんコードチェンジしてみましょう。
メトロノームを使ってカッティングを練習しましょう
どうしても苦手な部分は自然と遅くなってしまうので、メトロノームで強制的にリズムをキープしながらカッティングの練習をするのもおすすめです。
慣れてきたら実際の曲に合わせ、カッティングを取り入れて弾いてみましょう。
まとめ

ギターカッティングはリズムを強調する奏法で、さまざまな音楽スタイルに適用されます。カッティングを入れることで、曲のリズム感を強めて楽曲全体の雰囲気を引き締めることができます。
カッティングの基本テクニックや、リズム別の演奏方法のコツを今回紹介しました。
右手と左手のテクニックを効果的に合わせることが大切で、実際の曲でカッティングを入れながら様々なパターンを知ることが上達へのコツです。
適切な練習方法でカッティングを上達させましょう。カッティングを習得すれば、ギタリストとしての幅が広がります。
» 初心者向け!ギターの基本的な操作方法と練習方法