ギターを始めたいんだけど、何からやればいいの?
ギターを始める際に、何からやればいいのかわからない人は多いです。
当記事では、ギターの基本的なチューニング方法と初心者向けの練習方法を図を交えて解説します。当記事を読むことで、ギターの基礎的な練習方法からメンテナンスまでわかります。
ギターを上達するためのポイントを理解し、効率的に練習を進めましょう。
ギターの特性と基礎知識
ギターを始める際には、基本的な特性や知識を身に付けることが重要です。ギターには、さまざまな種類があり、異なる特性を持っています。自分の演奏スタイルや好きな音楽のジャンルに合ったギターを選ぶことが大切です。
ギターの種類と選び方
ギターには主に3つの種類があり、特徴や用途が異なります。
アコースティックギターは生の演奏に適しており、フォークソングやポップミュージックで使用されることが多いです。本体が共鳴することで音が響きます。ピックアップを搭載して音を増幅させるときには、基本的に「生音」に近づけるように作っていくことが多いです。
エレキギターはアンプを通して音を出すため、ロックやジャズなど、幅広い音楽表現が可能です。エフェクターで細かく音作りができるので、コードを弾く伴奏用と単音で弾くソロ用など音色を作り込むことも可能です。
クラシックギターはナイロン弦を使用し、クラシック音楽やフラメンコなどの演奏に適しています。生音の響きはまろやかで、アコースティックギターよりもネックの幅が広いです。ギターの選び方のポイントは以下のとおりです。
- ギターを選ぶ際には、楽器店で試奏して弾きやすさや音の響きを直接試してみる
- サイズや重さが自分の体格に合ったものを選ぶ
- 予算に応じて、新品または中古を選ぶことも選択肢になる
- 購入前には多くのモデルを試奏し、自分に合ったギターを見つける
ギターに必要なアクセサリー
ギターを始める際、あらかじめ揃えておくと良いアクセサリーがあります。ギターを始める際には、以下のアクセサリーを用意しましょう。
- ギターストラップ:立ってギターを弾く時に使います
- ピック:これでギターを弾きます(薄さや形に好みがあります)
- チューナー:音を合わせるのに必要なアイテムです(クリップ型、置き型などがあります)
- カポタスト:弾きやすいキーに変換するときなどで使用します(クリップ式、スクリュー式、バンド式などがあります)
- 予備の弦:弦は1ヶ月くらいで寿命がきます(ブロンズ弦、フォスファーブロンズ弦などがあります)
- ポリッシュクロス:ギター本体やネックなどを拭いてきれいな状態を保ちます
立って弾く機会がないならストラップは無くてもいいですし、エレキギターで音楽の種類によってはカポタストは使わないかもしれません。
ご自身のやりたい音楽に合わせて必要なアクセサリーを揃えましょう。
ギターのパーツと機能
ギターはどのような構造で音が鳴るのか、ざっくりでもよいので知っておいた方がよいです。
ギターのパーツと機能は、以下のとおりです。
ギターのパーツ | 機能 |
ヘッド | ギターの最上部にあり、ペグが取り付けられている |
ペグ | 弦のチューニングをするときに回すパーツ |
ネック | ヘッドとボディをつなぐ部分。指板があり、主に左手で持つ |
ナット | ヘッドとネックの接点にあり、弦の位置を固定し、振動を伝達する役割がある |
フレット | ネック上に間隔を空けて取り付けられた金属のバー 指で押さえる場所を示す |
指板(フィンガーボード) | ネックの上面、通常は木製でフレットが取り付けられている |
ボディ | ギターの主体部で、音の共鳴や増幅が行われる |
サウンドホール | アコースティックギターのボディにある穴で、音を外に放出する |
ピックアップ | エレキギターにある、弦の振動を電気信号に変換する装置 |
ブリッジ | ボディに取り付けられ、弦が固定され振動がボディに伝わる部分 |
サドル | ブリッジの一部で、各弦の高さを調節するために用いられる。ナットと同じ素材でできている |
コントロールノブ | エレキギターにおいて、音量やトーンを調節するためのノブ |
ギターの持ち方と構え方
ギターの構え方は意外と重要です。
最初に独自の方法で慣れてしまうと、あとで直すのに苦労します。そのため、最初から正しい構え方を身につけるのがおすすめです。
ギターの正しい持ち方を身に付けることで、長時間の演奏でも疲れにくくなります。正しい持ち方で演奏すると、美しい音を出しやすくなるため、演奏の質が向上します。
座っている場合は、ギターを右脚(右利きの場合)の上に置いてください。ギターの背面がお腹に密着するように持つことがポイントです。
左手でギターのネックを支え、親指はネックの裏側に置きます。親指以外の指を使って弦を押さえます。右手はブリッジの近くで、指やピックを使って弦を弾きましょう。正しく構えることで、余計な力が入りにくくなり、より良い演奏が可能になります。
ギターのチューニング方法
ギターを弾く前に正確なチューニングは重要です。チューニングが正確であれば、音楽の演奏がより美しく、正確に表現できます。それに、美しい音で練習すると成長が早いです。
弾いているうちに音がずれてくることもあります。音が少しでも気になったらその都度チューニングして常に最適な状態でギターを演奏しましょう。
ギターを構えたときに一番上の弦から(6弦,5弦,4弦,3弦,2弦,1弦)となり、6弦が一番低い音で、だんだん高くなり1弦が一番高い音になります。
各弦の音の高さは以下の通りです。
6弦 | ミ(E) |
5弦 | ラ(A) |
4弦 | レ(D) |
3弦 | ソ(G) |
2弦 | シ(B) |
1弦 | ミ(E) |
弦を弾きながらそれぞれの音を合わせていきます。
音の合わせ方は、チューナーを使う方法と聴音で行う方法の大きく分けて2種類あります。
それぞれ紹介します。
チューナーの使い方
ここではチューナーの使い方、チューナーを使ったギターのチューニング方法を紹介します。
- チューナーの電源をONにする
- ギターの各弦を弾き、チューナーに表示される音名と実際の音が合っているか確認する
- 各弦のチューニングが完了したら、6〜1弦まで再度確認して微調整する
- すべての弦が適切にチューニングされたらチューナーの電源をOFFにする
音が高い場合はギターのペグを緩め、逆に音が低い場合はペグを締めて音を高くしましょう。
ペグを締めて完了した方が音が安定しやすいです。
そのため、音が高いときは一旦緩めて(音を低めにして)ペグを締めて完了にするのがおすすめです。
すべての弦が適切にチューニングされたことを確認したら、チューナーによるチューニング作業は完了です。
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電源長押しするとディスプレイの上下を逆にできるので、つける向きを考えなくてよいのが便利です。
聴音によるチューニング方法
聴音によるチューニングとは、チューナーに頼ることなくギターの音を頼りに相対的にチューニングする技術です。
聴音によるチューニングは、耳を鍛える良いトレーニングになります。
これができるとライブや練習の一瞬の間に、チューナーに頼らずとも音を微調整することが可能になります。
聴音によるチューニング方法の図と手順は、以下のとおりです。
- 「音叉」やピアノなどでラ(A)の音を鳴らす
- 5弦をラ(A)の音に合わせる
- 5弦の5フレットの音(D)が開放の4弦の音(D)と同じであることを確認する
- 同様に、4弦の5フレットの音(G)が開放の3弦の音(G)と一致するようにする
- 3弦の4フレット(Bの音)が開放の2弦(Bの音)と一致するか確認する
- 2弦の5フレットの音(E)が開放の1弦の音(E)と一致しているかを確認する
- 1弦の開放弦(E)と6弦の開放弦(E)がオクターブで一致しているかを確認する
- 最後に各弦を微調整する
音叉(おんさ)はアカペラでの音取りなどでよく使われるアイテムです。楽器店ではギターグッズコーナーによく置いてあります。
この音叉でどこかをカーンと叩いてから下の丸っこい部分をギターボディーなどにくっつけるとラ(A)440Hzの音が鳴ります。
間違っても音叉でギターを叩かないでください!
このラ(A)を基準音として5弦を合わせ、相対的に他を順々に合わせていきます。
聴音によるチューニング方法は、難しいと感じる初心者がほとんどです。練習を重ねれば聴覚が研ぎ澄まされ、聴音によるチューニングもかんたんに感じます。
» 演奏の質をアップさせる!ギターのチューニング
ギター初心者向けの練習方法
ギター初心者の方が効率的にギターを学ぶためには、基礎を正しく学ぶことが一番の近道です。なぜなら、あなたのやりたい曲のすべては「基礎」の上に出来上がったものだからです。
とはいえ、すべて独学だと「必要ない部分」まで目を通すことになり非効率です。そこでギター初心者向けの練習方法についておすすめできる方法が3つありますので、紹介します。
- オンラインギターレッスンと動画教材で練習する
- ギター書籍やギターアプリで練習する
- ギター初心者のコミュニティで練習する
オンラインギターレッスンと動画教材で練習する
オンラインギターレッスンでは、専門の講師とリアルタイムでコミュニケーションを取りながら学べます。疑問点をすぐに解消できる点と、講師の質に偏りが少ない点が大きなメリットです。それにオンラインレッスンであれば、レッスンスタジオまで通う手間と交通費が一切かからないのも魅力です。
オンラインギターレッスンや動画教材を利用すると、忙しい日常の中でもギターの練習を継続しやすいです。多くの初心者におすすめです。
僕が初心者に合っていると思うオンラインレッスンのひとつはTHE POCKETです。
THE POCKETは「安くて気軽に」できることが特徴です。費用は一般的なレッスンの2/3ほど。気になる方は無料体験レッスンもあるのでチェックしてみてください。
また、他のオンラインレッスンと比較してみたい方はこちらの記事も参考にどうぞ。
≫ 【徹底比較!】オンラインギターレッスン・音楽教室のおすすめ7選
ギター書籍やギターアプリで練習する
ギター書籍やギターアプリを使用して練習する方法は、自宅で自分のペースで学べるメリットがあります。
教則本はご自身のレベルに応じて選ぶ必要がありますが、超初心者の方でしたら圧倒的にこちらがおすすめです。ギターの構え方から丁寧に説明されていますし、ひとつひとつがイメージしやすいです。
ギター練習アプリは、ご自身の演奏をカメラ機能で撮るとリアルタイムでフィードバックをしてくれるものがあります。少し弾けるようになってきたらアプリを活用するとおもしろいと思います。
このように書籍やギターアプリの活用は、ギター演奏の技術を効率的に向上させられます。
ギター初心者のコミュニティで練習する
かけ離れたレベルの人と交流するよりも、自分と同じくらいか少し上くらいの人と交流する方が上達が早い研究結果があります。
自分ひとりで学ぶよりコミュニティーで学ぶ方法が合っている方は、近所のギター教室やギター好きが集まる会などに参加してみるのがよいです。大手の楽器店で初心者向けのイベントを開催していることも多いです。
定期的に開催されるイベントやライブセッションに参加すると、パフォーマンススキルの向上を目指すことが可能です。
ギター初心者のための練習ポイント
ギター初心者は、楽器に慣れるために練習ポイントを押さえることが大切です。ギターを練習する際の参考にしてください。
ギター初心者の方は、特に以下の2つのポイントが重要です。
- 毎日楽器に触れる
- メトロノームを使って練習する
順番に見ていきましょう。
毎日楽器に触れる
なんと言っても、とにかく毎日楽器に触れることが一番大事です。
「顔を洗う」「歯を磨く」と同じように「ギターを弾く」ことを習慣にしましょう。1時間も取る必要はありません。毎日10分でもよいので毎日のルーティーンにギターを組み込むことが上達の近道です。
たとえば以下のように決めても良いと思います。
- 仕事から帰ってきたらまずギターを弾く
- 午後9時から15分間はギターの時間
- 家で歯を磨いたあとは必ずギターを弾く
練習内容はなんでもよいです。とにかく毎日楽器に触れて習慣化していきましょう。
自分なりにルールを決めて、無理のない程度でつづけられることを見つけると良いです。
メトロノームを使って練習する
メトロノームを使った練習は、ギター初心者に特におすすめです。メトロノームはアプリもありますので、ものを持っていない方はアプリをダウンロードしましょう。
メトロノームを使用することで、一定のテンポを保ちながら練習できるため、リズム感を養えます。ギター演奏においては、リズムの正確さが重要です。メトロノームを使った練習は、ゆっくりとしたテンポから始め、徐々にテンポを上げる方法が効果的です。
コードワークなどは特に、得意なところは速く、苦手なところは遅くなりがちです。
常に一定のテンポの中で練習できれば「自分に苦手な部分」がとてもわかりやすくなります。
リズムやテンポが崩れないように練習していると、上達が早いです。メトロノームを活用してテンポに強くなりましょう。
ギター初心者が知っておきたい演奏技術
ギター初心者にとって、基本的な演奏技術を身に付けることは重要です。ギター演奏の基礎となる技術に焦点を当て、技術がどのように役立つかを解説します。
アルペジオ
ギターのアルペジオは、弦を右手の指で1本ずつ順番に弾く奏法です。主にバラードやミディアムテンポの曲で使われます。
コードを押さえ、右手の親指で6弦や5弦のベース音を弾き、そのつづきで人指し指、中指、薬指の3本で1〜4弦を順番に弾いていきます。
様々なパターンが出てきますので、いろんな曲をコピーしてみるとコツが掴めてきて楽しいです。
また、アルペジオの発展系として「3フィンガー」という奏法があります。フォークスタイルでよく使われている弾き方で、親指、人指し指、中指の3本のみを使います。
「あの素晴らしい愛をもう一度」や長渕剛の「夏祭り」などが有名です。
最近でもBUMP OF CHICKENの「東京賛歌」の中でギターボーカルの藤原基央さんが3フィンガーで弾いており、オシャレに使われています。
ストローク
ストロークは、ピックや指を使って複数の弦を同時になぞる基本的な奏法です。上から下にピックを振り下ろす動作を「ダウンストローク」といい、下から上に振り上げる動作を「アップストローク」といいます。
ギターの擬音語でよく使われる「ジャカジャカ」はダウンストロークとアップストロークの組み合わせによる音です。
ストロークは、腕全体ではなく手首を中心に使うことがポイントです。
慣れてくると、一曲のなかでアルペジオとストロークを組み合わせることもできます。
練習初期には、メトロノームの使用がおすすめです。メトロノームを使うことで、リズムを一定に保つ練習ができ、継続すると自然なストロークが身に付きます。
コードの押さえ方
ギターのコードは、適切なフォームで押さえることが重要です。なぜなら、基本的なフォームを知らないと後々応用が効かなくなるからです。
適切なフォームを学ぶことで、より効率的にギターが上達します。
コードを押さえる左手ですが、親指はネックの背面に軽く当て、他の指は指板に垂直に立てるようにしてコードを押さえます。
垂直に立てることが最初は痛くて難しいのですが、しっかり指を立てることではっきりとした音が鳴るようになります。また、指が他の弦に当たるのを防ぐ役割もあります。
指を立てるために、手首をグッと前に出すこともポイントです。
初心者の場合、最初は強く押さえるのが難しいですが、練習していくと指先が硬くなり弦を押さえるのが楽になります。
ギターのメンテナンスとケア
ギターを長く使い続けるためには、適切なメンテナンスとケアが必要です。ギターはデリケートな楽器であり、一定の環境と注意が音質を保つ鍵となります。日常的なメンテナンス方法について、詳しく説明します。
ギターの日常的な手入れ方法
ギターを長く快適に使用するためには、日常的な手入れが重要です。ギターの日常的な手入れ方法は、以下のとおりです。
- ギターを使用後は常に布でボディと弦を拭く
- 湿度と温度の変化に注意し、直射日光の当たらない場所に保管する
- フレットが汚れてきたら、専用のオイルを塗布する
- 弦には寿命があるため、定期的に交換する
- ギターケースを使用して、埃や衝撃から守る
日常的な手入れで、ギターを常に最良の状態に保ちましょう。
特に日常的にボディーやネックを拭くことや、定期的に弦交換をすることが大事です!
筆者も使っているおすすめのクロスはこちら!
筆者も使っているおすすめの弦はこちら!
迷っている方は参考にしてみてください。
弦の交換方法と時期
ギターの弦は、使用頻度や音質の変化に応じて、定期的に交換する必要があります。一般的に、ギターの弦の交換の目安は1ヶ月です。
弦が錆びていると音が鈍くなり、コードを押さえる指が滑らなくなりパフォーマンスが落ちます。
新しい弦に交換すれば、クリアな音質を取り戻せます。弦の交換にはいくつかの工具が必要です。
弦巻き(ストリングワインダー)やストリングカッター、新しい弦セットを用意しましょう。
ストリングスワインダーはこれがおすすめ。めっちゃ巻きやすい。
ストリングカッターはこれで十分。20年以上使えます。
ギター弦の交換手順は、以下のとおりです。
- 古い弦を緩めて取り外し、新しい弦をブリッジに固定してペグに巻き付ける(ストリングスワインダー)
- 弦を徐々に張っていき、チューニングを確認しながら調整する(ストリングスワインダー)
- 張り終えたら弦を引っ張りチューニング、引っ張りチューニングを何度か繰り返す
- 緩みが落ち着いたら、ヘッド部に余った弦を切る(ストリングカッター)
- 交換後は、新しい弦が伸びきるまでこまめにチューニングをする
弦交換は最初は30分以上かかると思いますが、慣れてくると15分くらいでできるようになります。
まとめ
今回はギターのチューニング方法や、ギター初心者のための練習方法などを紹介しました。
効率的にギターが上達したいのであれば、基礎を学ぶことが一番の近道になります。そのためにオンラインレッスンやコミュニティーを活用しましょう。
また、メトロノームを使用して練習することも効率的です。リズム感を養ってメキメキうまくなりましょう。
そして、ギターのチューニングや日常的なメンテナンスはギターを弾く上で重要なことです。基本を押さえつつ、継続的な練習を心がけることが上達への近道になります。
» 「歌ってみた」の作り方完全ガイド