ギター初心者が最初に直面するのが「コードの押さえ方」です。

指がうまく動かず、音がきれいに鳴らない…
こんな悩みを抱える人は少なくありません。
本記事では、基本的なギターコードの押さえ方のポイントを3つに絞って解説します。これを押さえれば、コードがしっかり鳴るようになり、スムーズに演奏できるようになります。ギターを始めたばかりの方も、ぜひ参考にしてください!
ギターコードの基礎知識

「コード」とは、2つ以上の音を組み合わせた和音のことです。
ギターコードは、A〜Gの7種類に#(シャープ)や♭(フラット)を加えた全12種類があり、「メジャー」と「マイナー」の2種類に大きく分けられます。たとえば、「C」にはCメジャー(C)やCマイナー(Cm)があります。
基本のコードだけでも24種類(12×2)ありますが、メジャーセブンス(M7)やナインス(9)などを含めると何百種類にもなります。
こう書くと途方もないように感じてしまいますが・・・
実は最初は 「メジャーコード」と「マイナーコード」 だけ覚えればOKです!
その中でも、3〜6個のコードを覚えるだけで大丈夫。 僕自身も最初から全部覚えたわけではなく、弾いているうちに自然と身につきました。
まずは「よく使うコード」だけを覚えて、演奏を楽しみましょう!
ギターコードを構成する音
ギターコードは、根音(ルート)、三度、五度の音を基本に構成されます。
- メジャーコード(M) → ルート + 長三度(M3) + 五度(P5)
➡ 明るく、はっきりした響き - マイナーコード(m) → ルート + 短三度(m3) + 五度(P5)
➡ 少し暗く、切ない印象
メジャーコードは、ルートに長三度(M3)と五度(P5)を加えたもので、明るい響きが特徴です。マイナーコードは、短三度(m3)を加えることで、少し暗い印象になります。
さらに、セブンスコードやディミニッシュコードなどを加えると、表現の幅が広がります。
メジャーコードとマイナーコードの違い
メジャーコードとマイナーコードは、どちらも 3つの音(3和音) で構成されます。
- メジャーコード → 明るくポジティブな印象
- マイナーコード → 暗く感傷的な印象
音の違いは「三度の音」
両者の違いは、ルート(基準となる音)から数えて三度目の音が「半音高いか低いか」 だけです。
例えば、Cコード(Cメジャー) の場合:
✅ Cメジャー → ド・ミ・ソ
✅ Cマイナー → ド・ミ♭・ソ(三度の「ミ」が半音下がる)
たった半音の違いで、聴こえ方の印象がガラッと変わるのがコードの面白いところです。
» ギターコードの基本から学ぶ!コードの押さえ方や練習方法を詳しく解説
メジャーコードとマイナーコード一覧
ギターコードの中で、メジャーコードとマイナーコードを表にしてみました。
メジャーコード | C | C# / D♭ | D | D# / E♭ | E | F | F# / G♭ | G | G# / A♭ | A | A# / B♭ | B |
マイナーコード | Cm | C#m / D♭m | Dm | D# / E♭m | Em | Fm | F#m / G♭m | Gm | G#m / A♭m | Am | A#m / B♭m | Bm |
全部で24個ありますが、ギターを始めて最初に覚えると効率がいい5つのコードを赤字にしています。
まず覚えるべき5つのコード
一覧表で示した通り、最初に覚えると効率がいいのはGの3コード(G・C・D)とEm、Amです。
この5つのコードを覚えるだけで、たくさんの曲が弾けるようになります!
また、初心者が苦戦しがちな 「Fコード」は、もう少し慣れてから取り組むのがおすすめです。
まずはこの5つから練習してみましょう!
基本のギターコードと押さえ方

ギターを始める際に最初に学ぶのは、基本的なギターコードと押さえ方です。正しくギターコードを押さえれば、多彩な曲の演奏が可能です。主要なギターコードの押さえ方をマスターして、ギター演奏の幅を広げましょう。初心者が習得すべき基本的なギターコードは、以下のとおりです。
- Gコード
- Cコード
- Dコード
- Emコード
- Amコード
G・C・D は「Gの3コード」と呼ばれます。
「3コード」とは、簡単に言えば 4コマ漫画の「起・承・転・結」 のようなものです。
🎵 G(起) → 曲の始まり
🎵 C(承) → スムーズに流れが発展
🎵 D(転) → ちょっと変化して盛り上がる
🎵 G(結) → 最後に落ち着いて戻る
たとえば、有名なCMソング「この木なんの木」をイメージすると…
この〜木なんの木 | G(起) | はじまり |
気になる木 | C(承) | 「起」が発展! |
名前も知らない | D(転) | お!どうなる!? |
木ですから | G(結) | あ、戻ってきた! |
こんな感じで、Gのキーの曲には CとDが頻繁に登場します。音階で言うと「ソ」からはじまるト長調です。
それに関連してEmやAmも出てきやすいので、覚えておきましょう。
それぞれのコードの押さえ方を解説していきます。
Gコードの押さえ方
G(またはGメジャー)は ソ・シ・レ の和音です。
左手の指で、以下のように押さえます。
- 薬指を6弦の3フレット(根音)
- 中指を5弦の2フレット
- 小指を1弦の3フレット
コードブックで別の表記になっていることも多いGですが、応用が効きやすく後々楽になってくるのは断然こちらの押さえ方だと思います。
Gをうまく押さえるコツは、手首をグッと前に出して指をなるべく立てることです。

それが難しいんだよ。指が攣りそう。。
正直、最初はまったく音が出ないと思います。ここでの目的は「フォームを覚えてもらうこと」です。
押さえている6・5・1弦はプツプツ言ってもいいので、それ以外の弦に指が触れないように気をつけましょう。そしてこの「G」のフォームを覚えておきましょう。
Cコードの押さえ方

C(またはCメジャー)は ド・ミ・ソ の和音です。
左手の指で、以下のように押さえます。
- 薬指を5弦の3フレット(根音)
- 中指を4弦の2フレット
- 人差し指を2弦の1フレット
コードを弾くときに「根音より低い音は弾かない」ルールがあります。
Cの根音は5弦の3フレットなので、6弦は弾かずにミュートします。
6弦を弾かない方法は次の2種類です。
✅ 左手の親指を裏からまわしてきて6弦にかるく触れておく
✅ 6弦をなるべく弾かないように、右手のピッキングを気をつける
GとCのフォームを個別に覚えたら、G→C→G→Cのようにコードチェンジのトレーニングをします。
コードチェンジで重要なのは「指の動きを少なくする」ことです。
たとえばG→Cへのチェンジのとき、6弦と5弦を押さえている薬指と中指をそのまま1つずつ下ろすとCの5弦と4弦の位置にきますので、あとは人差し指で2弦の1フレットを足せばよいのです。
C→Gのときは逆の動きをすれば早いです。
このように楽な方法を見つけると上達が早くなり、しかも手元を見なくてもコードチェンジができるようになります。
Dコードの押さえ方
D(またはDメジャー)は レ・ファ#・ラ の和音です。
左手の指で、以下のように押さえます。
- 4弦は0フレット(根音)
- 人差し指を3弦の2フレット
- 薬指を2弦の3フレット
- 中指を1弦の2フレット
Dの根音は4弦の0フレット(解放弦)なので5、6弦は親指でミュートするか右手のピッキングに気をつけて鳴らさないようにします。
G→C と同様に C→D のコードチェンジにもチャレンジしてみましょう。G→C よりも動きが複雑になってくるので大変ですが、がんばって覚えましょう。
C→Dが難しい方は「D7」でもOKです
どうしても動きが複雑で挫折しそうという方は「D7」コードでもOKです。読み方はディーセブンスです。
D7は左手の指で、以下のように押さえます。
- 4弦は0フレット(根音)
- 中指を3弦の2フレット
- 人差し指を2弦の1フレット
- 薬指を1弦の2フレット
C→D7 へチェンジするとき、人差し指を動かさずつけたままにできるのがポイントです。それを軸にして前後の指をサッとチェンジできるようにトレーニングしましょう。
Emコードの押さえ方

Emは ミ・ソ・シ の和音です。
左手の指で、以下のように押さえます。
- 6弦は0フレット(根音)
- 中指を5弦の2フレット
- 薬指を4弦の2フレット
Emは最もかんたんに弾けるコードです。
マイナーコードなのでちょっと寂しい響きがありますが、ギターを鳴らせる喜びを感じやすいコードです。
6〜1弦までジャラーンと弾いてみましょう。
Amコードの押さえ方
Amは ラ・ド・ミ の和音です。
左手の指で、以下のように押さえます。
- 5弦は0フレット(根音)
- 中指を4弦の2フレット
- 薬指を3弦の2フレット
- 人差し指を2弦の1フレット
EmのつづきでAmを覚えるのがコツです。
Em→Am へのコードチェンジはとてもかんたんです。
✅ Emで押さえている2本の指(5,4弦)をそのまま1つ下にずらす(4,3弦)
✅ 人差し指を2弦の1フレットに添えれば完成
Em→Am→Em→Am で4拍ずつなど、コードチェンジの練習をしましょう。
慣れてきたら Em→Am→D7 も練習しやすくおすすめな流れです。
難しいギターコードと押さえ方

ギターを演奏する際に、特に初心者が難しいと感じるコードがバレーコードです。バレーコードとは、FコードやB♭コードなどのギターのネックをまたいで複数の弦を1本の指で押さえるコードのことです。
人差し指で1〜6弦まですべて押さえることを「セーハ」といいます。初心者〜中級者で特に高い壁だと感じられるのはこの領域です。
この章では、バレーコードの基本的な押さえ方とコツをお伝えしていきます。特に最初は難しく感じると思いますので、簡易的な押さえ方も併せてお伝えします。
Fコードの押さえ方
F(またはFメジャー)は ファ・ラ・ド の和音です。
左手の指で、以下のように押さえます。
- 人差し指で1フレットの1~6弦をセーハする(6弦が根音)
- 中指を3弦の2フレット
- 薬指を5弦の3フレット
- 小指を4弦の3フレット
人差し指を使い、1フレットのすべての弦を押さえます。指の側面を使って力を入れることが大切です。
ここでポイントなのが3、4、5弦は他の指で押さえているため人差し指に力をいれる必要がないことです。つまりFのセーハで力を込めるのは1、2、6弦のみでよいのです。

そう言われたって難しいんだよ。指が攣りそう。。
Fばかり練習していて挫折するよりも、他の練習をしつつたまにFにもチャレンジするくらいの方が長続きするのでおすすめです!
それでもFが鳴らしたい!!
そんなあなたのために、簡易版Fコードの押さえ方もお伝えします。
簡易版Fコードの押さえ方
簡易版Fコードは、以下のように押さえます。
- 薬指を4弦の3フレット(根音)
- 中指を3弦の2フレット
- 人差し指で1フレットの1、2弦を押さえる
5、6弦は弾かず、4弦を根音として使うバージョンです。

これならできそうだ!
無理せず、やってみたいバージョンで進めていきましょう。
B♭コードの押さえ方

B♭(またはB♭メジャー)は シ♭・レ・ファ の和音です。
左手の指で、以下のように押さえます。
- 人差し指で1フレットの1~5弦をセーハする(5弦が根音)
- 中指を4弦の3フレット
- 薬指を3弦の3フレット
- 小指を2弦の3フレット
Fコードと同様に2、3、4弦は他の指で押さえているので、セーハしている人差し指は1、5弦の音だけしっかり出るように押さえればよいです。
簡易版B♭の押さえ方があります。1弦を省略する方法です。
人差し指では5弦のみ押さえて2、3、4弦は通常で押さえ、1、6弦はミュートしておくと楽です。
筆者も時折この簡易版B♭で押さえています。よかったら参考にしてみてください。
とはいえB♭はかなり難易度が高いので初心者向けではありませんね。
ギターコードを押さえる際のポイント

ギターコードを押さえる際に重要な以下の3つのポイントについて、詳しく説明します。
- 正しい姿勢と手の位置
- 指を立てる
- フレットの近くを押さえる
正しい姿勢と手の位置
ギターを弾くときの姿勢はとても大切!
姿勢が悪いと、手や腕が疲れやすくなり、コードを押さえにくくなります。最初に正しい姿勢を身につけることで、ラクに演奏できるようになります。
- 椅子にしっかり座る(深く腰掛けすぎない)
- 足は床にしっかりつける(ブラブラさせない)
- 背筋を軽く伸ばして、リラックス!
ギターの構え方のポイントは以下の通りです。
🎸 ギターの持ち方
✅ ギターのヘッド(先端)は少し上向きに
✅ 右腕をギターの上部に自然にのせる(ストロークしやすい)
🤲 左手のポイント
✅ 親指はネックの裏側に置く(ギュッと握らない)
✅ 手首をグッと前に出し、指を立てて弦を押さえる
最初は少し意識するのが大変かもしれませんが、正しい姿勢が身につくと、長時間弾いても疲れにくくなります。
指を立てる

コードを押さえるとき、指を立てて弦を押さえる必要があります。なぜなら、指が寝て他の弦に触れているとクリアな音が鳴りにくいからです。
たとえば「Gコード」を押さえる場合、指を立てていないと6弦を押さえているための薬指が5弦にも触れてミュートしてしまいます。
「指を立てる」ためのポイントは次の2つです。
- 左手首をグッと前に出す
- 爪をきちんと短く切っておく
最初は指が攣りそうになったり指先が痛くなりますが、少しずつ慣れるので焦らなくて大丈夫です。
フレットの近くを押さえる
さえると、少ない力でもきれいな音が鳴るようになります。
押さえ方のポイントは次の通りです。
- フレットバー(銀色の線)のすぐ奥を押さえる
- 中央よりバー寄りの位置を狙う(真ん中すぎると音がにごる)
- 力は「適度」に(強く押さえすぎると余計な力が入る)
フレットの近くを押さえるだけで、ぐっとキレイな音になるので、ぜひ意識してみてください。
ギターコードを上手く押さえられない場合の対処法

ギターコードをうまく押さえられない場合の対処法について、以下のパターン別に解説します。
- 音がきれいに鳴らない場合
- 指が痛い場合
- ギターコードのことを効率よく学びたい場合
音がきれいに鳴らない場合の対処法
コードを押さえていて音がびびってしまう原因は以下の通りです。
- フレットの近くで押さえられていない
- 指が寝てしまっており他の弦に当たっている
- 指先がまだやわらかい
ギターのコードがうまく鳴らないときは、フレットをしっかりと押さえる基本に立ち返りましょう。フレットバーの近くで弦を押さえると、クリアな音が出やすくなります。
押さえる指が寝てしまうと、他の弦に触れてしまいます。他の弦に触れてしまうと音が濁るので、左手首を前の方に出しフレットを押さえる指を立てるようにしましょう。
また、練習を重ねていくと指先がかたくなっていきます。指先がある程度かたくなるとコードを押さえるのがとても楽になります。
毎日5分でもギターに触れる機会をつくると、割と早く指先がかたくなるのではないかと思います。少しずつでも継続こそが近道です。
指が痛い場合の対処法

ギターを始めて間もない時期は、特に指先の痛みに悩まされます。
コードを押さえると指先が赤くなり、痛くなります。

痛くてしんどいからギターやめたい。
こう思ってしまう前に、次のことを試してみてください。
- 練習しすぎない(痛くなったらやめる)
- ただし、毎日ギターに触れる(1日10分などでOK)
- 弦のゲージを細いものに変更する(Light → Extra Lightなど)
アコースティックギターは、通常ライトゲージの弦が張られています。
弦が太ければ太いほど、指は痛くなります。逆に細いゲージのものを選べば指への負担が軽減できます。(音は細くなりますが)
DADDARIO ( ダダリオ )の弦は人気商品の定番です。
次第に指先がかたくなり、弦を押さえても痛くなくなる時期がやってきます。1〜2ヶ月もつづけていれば変化が現れるはずです。
このように無理のないペースでつづけることが一番大切です。
ギターコードを効率よく学びたい場合の対処法
独学もいいですが、ギターは対面やオンラインレッスンで講師から直接学ぶのが一番効率の良い方法です。
僕のおすすめはTHE POCKETとMUZYX[ミュージックス]です。
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ギター初心者向けの書籍を使うのもひとつの有効な手段です。
これは僕のおすすめです。
まとめ

ギターのコード何百種類という数をすべて覚える必要はなく、まず「メジャーコード」と「マイナーコード」だけに目を向けましょう。
初めはGの3コードからがおすすめです。
メジャーセブンスやオーギュメントコードなどおしゃれな和音もありますが、最初は「メジャーコード」と「マイナーコード」以外は無視してOK。それが効率よく覚えるコツです。
さらに効率よくギターコードを学びたいのであれば対面やオンラインレッスンを考えてみてはいかがでしょうか?
それでは、また。