音楽を楽しんでいる方の多くは、「もっと上手に歌えるようになりたい」と感じるものです。
しかし、具体的にどんな練習をすれば良いのかわからず、思うように上達できないと悩んでいる方も少なくありません。
そこで本記事では、歌唱力アップに効果的な練習法のひとつである「タングトリル(巻き舌)」を解説します。
基本のやり方から得られる効果、さらに自宅でできる具体的な練習方法まで紹介するので、読んですぐに実践に役立てられます。
» 自宅でできる!歌がうまくなる具体的な方法を解説
タングトリル(巻き舌)の基本

タングトリルは、舌を「ルルルル」や「ドゥルルルル」と震わせながら音を出す発声練習法で、歌唱力や発声技術を高めるために有効な練習方法のひとつです。
習得することで、声の柔軟性が増し、より豊かな表現力を身につけることができます。

コrrrrrルアァァァァ!!!
みたいなのもタングトリルですね。「巻き舌」のことです。
タングトリルは声帯を柔軟にし、息の流れをスムーズにする効果があります。特に、声の響きを改善したい人におすすめです。
また、滑舌がよくなり喉が開く感覚ができますので、ぜひ試してみてください。
タングトリルの効果

タングトリルには、歌唱力や発声に役立つさまざまな効果があります。
主なメリットは以下のとおりです。
- 舌の柔軟性が向上する
- 滑舌が良くなる
- 腹式呼吸のトレーニングになる
- 声帯への負荷が軽減する
このように、タングトリルは単なる発声練習ではなく、歌唱全般にプラスの効果をもたらすトレーニングです。
ここからは、それぞれの効果を順番に解説していきます。
舌の柔軟性が向上する
タングトリルを継続的に行うと、舌の筋肉がほぐれ、しなやかに動かせるようになります。
舌の柔軟性が高まることで、力まずに発声できるようになり、複雑な発音や表現もしやすくなります。
柔軟な舌は正しい発声をサポートし、歌の表現力を大きく向上させます。
無理のない発声につながるため、喉への負担も減らせる点もメリットです。
さらにこの効果は歌唱にとどまらず、日常生活にも役立ちます。
舌の動きがスムーズになることで滑舌が改善され、会話がよりクリアに聞き取りやすくなります。
また、食事の際の舌の動きもスムーズになり、飲み込みやすくなるといった実感を得られることもあります。
滑舌が良くなる
タングトリルを繰り返し練習すると、滑舌が良くなります。
舌や口の周りの筋肉が鍛えられることで発音が明瞭になり、言葉の区切りもはっきりと出せるようになります。
その結果、歌唱だけでなく日常会話の質も高まります。
滑舌が良くなると、声の響きがクリアになり「明るい発声」につながります。
明るい声は聞き手に届きやすく、話や歌の内容がより伝わりやすくなる点も大きなメリットです。
腹式呼吸のトレーニングになる

タングトリルは、腹式呼吸のトレーニングとしても効果的です。息を一定に保ちながら舌を震わせる動きは、自然と横隔膜の使い方を意識させてくれるため、呼吸法の改善につながります。
腹式呼吸が身につくことで得られるメリットは次のとおりです。
- 声帯への負担を減らし、安定して声を長く出せる
- 息のコントロール力が高まり、表現力が豊かになる
- 発声が安定し、ステージパフォーマンスのクオリティが向上する
このように、タングトリルは歌唱力アップに直結するだけでなく、正しい呼吸法を身につけることで心身のリラックスにもつながります。
» 歌が上手くなる腹式呼吸の練習方法を解説
声帯への負荷が軽減する
タングトリルは声帯に近い筋肉や舌をリラックスさせる効果があるため、自然と声帯への負担を減らせます。
声帯がリラックスした状態で使えるようになると、長時間の練習や歌唱でも喉を痛めにくくなり、安定した発声を維持できます。
特に「声が枯れやすい」「喉に力が入ってしまう」といった悩みを持つ方には効果的です。
声帯の健康を保つことは、歌唱力向上だけでなく、声を長く使い続けるためにも欠かせません。
タングトリルの練習方法

タングトリルは、歌う前のウォーミングアップとして取り入れるのがおすすめです。発声に必要な舌や呼吸をやわらかく整えられるため、歌唱前の準備運動としても非常に効果的です。
基本的な練習手順は以下のとおりです。正しい順序で行うことで、タングトリルの効果をしっかりと引き出せます。
- 舌根をほぐす
- 舌のストレッチをする
- 「tr」や「dr」で発音してみる
- 音程をつけて上下に動かしてみる
では、それぞれのステップを具体的に見ていきましょう。
舌根をほぐす
次の通り行ってください。
- ティッシュを手に持ち、舌を持ちます
- 気持ちの良いと感じるところまで舌をゆっくり引っ張ります
- そのまま10~15秒間キープします
これを、休みながら3セット行います。
舌のストレッチをする
次の通り行ってください。(口を閉じたまま)
- 口の中で、舌を右回しでぐるぐる回します(10回)
- 左回しでぐるぐる回します(10回)
頬の内側に押し当てながらぐるぐる回すのがポイントです。
「tr」や「dr」で発音してみる
タングトリルでは舌の位置と動きが重要です。
舌先を上顎に軽く当て、息を吐きながら舌を震わせて「rrr」や「drrr」のような音を出します。
舌先を上顎の前方に軽く当てることが重要です。
「ラララ」と発音するときに舌の先があたるところが、タングトリルの位置です。
舌の動かし方は、次の練習方法で身につけましょう。
「とぅら・とぅり・とぅる・とぅれ・とぅろ」を各5回ずつ、舌先を上の歯にあてながら発音してみましょう。
音程をつけて上下に動かしてみる
タングトリルに慣れてきたら、低い音程から高い音程までタングトリルで挑戦してみましょう。
「drrr」と発音した状態のまま低い音↗高い音↘低い音のようにつなげて往復しましょう。
» 音程がわからない原因とは?改善方法を詳しく解説
タングトリルに関するよくある質問

ここでは、タングトリルの練習に取り組む際によく寄せられる疑問に答えていきます。
Q1. タングトリルはどのくらいの頻度で行えばいいですか?
毎日短時間でも続けるのがおすすめです。
1回につき3〜5分程度を目安に、ウォーミングアップとして取り入れると効果的です。
無理に長時間行う必要はありません。
Q2. 他のボイストレーニングと一緒にやっても大丈夫ですか?
もちろん大丈夫です。
発声練習や音階練習の前にタングトリルを入れることで、舌や呼吸が整い、他のトレーニング効果も高まります。
Q3. タングトリルの練習中に違和感や痛みを感じた場合はどうすればいいですか?
痛みや強い違和感を感じたらすぐに中止してください。
力を入れすぎたり、息を強く吹きすぎたりすると舌や喉に負担がかかります。
リラックスを意識し、無理のない範囲で練習することが大切です。
まとめ

タングトリルは一見子どもの遊びのように思えるかもしれませんが、発声においては大きな効果を発揮します。
声帯への負荷を減らし、音域を広げ、声の安定感を高める――これらはすべて日々の小さな積み重ねから得られる成果です。
無理なく続けられるトレーニングだからこそ、毎日のウォーミングアップに取り入れてみましょう。
習慣にすることで、あなたの歌声は着実に変化し、より表現力豊かで伸びやかなものになっていきます。
タングトリルは簡単だけど効果大!今日からウォーミングアップに取り入れてみてください。
