ギターの録音用にオーディオインターフェースが欲しいんだけど、どう選んだらよいのかな?
ギターの録音時に使用するオーディオインターフェースの選び方がわからない人は多いです。さまざまな機能や専門用語に圧倒され、結局よく分からなくなってしまうからです。本記事では、ギター録音におけるオーディオインターフェース選びのポイントを詳しく解説します。
適切なオーディオインターフェースを選べると、音楽制作環境は大きく変わります。録音品質の向上はもちろん、作業効率も向上可能です。本記事を読めば、あなたの目的や予算に合わせて最適なオーディオインターフェースを見つけられます。
ギター録音するためのオーディオインターフェース選びで迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。
オーディオインターフェースの基本
オーディオインターフェースの基本として、下記の2点を解説します。
- オーディオインターフェースの機能
- ギター録音におけるオーディオインターフェースの役割
オーディオインターフェースの機能
オーディオインターフェースは、ギターやマイクなどをパソコンにつなぐために必要で、音楽制作に欠かせない機器です。マイクで録音したアナログ信号をデジタル信号に変換し、PCでの音声処理を可能にします。
また、逆にデジタル信号をアナログ信号に変換してスピーカーから再生することもできます。
オーディオインターフェースには、下記の特徴があります。
- ギターやベースを接続できる
- コンデンサーマイクに電源を供給できる(ファンタム電源)
- 複数の音源を同時に録音できる
オーディオインターフェースは、USBやThunderboltなどのケーブルでPCと接続できます。音楽制作ソフトウェア(DAW)と連携すると、録音から編集、ミックスまでスムーズに作業可能です。
» オーディオインターフェースとは?利点や種類、接続方法を解説!
ギター録音におけるオーディオインターフェースの役割
オーディオインターフェースは、ギター録音においても欠かせない機器です。オーディオインターフェースは、ギターの音をPCで扱えるように変換します。音を変換する過程で、オーディオインターフェースは雑音を抑えます。オーディオインターフェースを使用するメリットは、下記のとおりです。
- 音質が向上する:マイクや楽器の音を高音質で入力・出力できる
- レイテンシーを減らせる:音の遅れを改善できる
- 複数のマイクや楽器を入力できる:複数メンバーで同時に録音することもできる
ギター用オーディオインターフェースの準備と接続
ギター用オーディオインターフェースの準備と接続について、下記の2点を解説します。
- ギターとの接続に必要な機材の準備
- オーディオインターフェースとギターの接続手順
ギターとの接続に必要な機材の準備
ギターをオーディオインターフェースに接続して録音するには、いくつかの機材が必要です。必要な機材は、下記のとおりです。
- ギター用オーディオインターフェース
- XLRケーブル(キャノンケーブル)
- TSケーブル(フォーンケーブル)
- USBケーブル(またはThunderboltケーブル)
- コンデンサーマイク(アコギの場合)
- スピーカーまたはヘッドホン
上記の機材を揃えると、高品質なギター録音を行えます。
オーディオインターフェースとギターの接続手順
ギターとオーディオインターフェースの接続は、初心者でも簡単です。接続手順は、下記のとおりです。
- オーディオインターフェースをPCに接続する
- DAWソフトの設定を確認する
- ギターとオーディオインターフェースをギターケーブル(フォーンケーブル)で接続する
- ※アコースティックギターの場合はオーディオインターフェースにコンデンサーマイクを接続します(XLRケーブル)
- 入力チャンネルを選択し、入力レベルを調整する
上記手順のとおりに準備を進めると、ギターの録音準備が整います。
» オーディオインターフェースの使い方を解説!
オーディオインターフェースの選び方
ギターに適したオーディオインターフェースは、以下の点に注意して選びましょう。
- インプット数で選ぶ
- 予算に応じて選ぶ
- スマホやPCに合わせて選ぶ
- サンプリングレートとビット深度で選ぶ
インプット数で選ぶ
オーディオインターフェースを選ぶ際は、インプット数に注目してください。インプット数は、同時に録音したい音源の数に応じて選択します。下記のような場合では、必要なインプット数が多くなります。
- バンド全体の演奏を録音する
- ドラムセットを録音する
録音する音源が少ない場合は、インプット数が少ないモデルで十分です。使用するマイクロフォンや楽器に合わせて、適切な入力端子を搭載したモデルを選びましょう。
予算に応じて選ぶ
オーディオインターフェース購入の際は、予算に合わせて選択しましょう。下記のとおり、予算に応じて購入可能なモデルが異なります。
- 1万円程度:初心者向けのモデル
- 1~5万円程度:セミプロ向けのモデル
- 5万円以上:プロ向けのモデル
オーディオインターフェースは予算やレベルに合わせて適切に選び、長期的かつ有効に活用しましょう。
初心者の方は1~3万円程度でコストパフォーマンスの良い商品を選ぶことをおすすめします。
以下に具体的なおすすめ商品を紹介します。
STEINBERG ( スタインバーグ ) / UR22C オーディオインターフェイス32bit/192kHz
FOCUSRITE ( フォーカスライト ) / Scarlett 2i2 (gen. 4) オーディオインターフェイス
MOTU ( モツ ) / M2 オーディオインターフェイス
PCやスマホに合わせて選ぶ
スマートフォンやパソコンに合わせてオーディオインターフェースを選ぶ際は、それぞれのデバイスに対応するモデルを選びましょう。使おうとしているオーディオインターフェースとの互換性があるかが重要です。
互換性については次の3点に注意しましょう。
- コンピュータのOS
- モバイルデバイス
- 接続方法
上記の互換性を確認せずに製品を選ぶと、機器が正しく動作しません。トラブルを起こさないためにも、適切なオーディオインターフェースを選びましょう。
» オーディオインターフェースのおすすめを解説!
エレキギターやベースで手軽にレコーディングしたい方は、持ち歩きできるこのようなタイプもあります。
配信や「弾いてみた」をされる方はこちらがおすすめです。
サンプリングレートとビット深度で選ぶ
高品質な録音を目指すなら、高いサンプリングレートとビット深度に対応した製品がおすすめです。
音の質を決める重要な要素に、サンプリングレートとビット深度があります。サンプリングレートとビット深度は、音の細かい表現と強弱の幅に影響します。サンプリングレートが高いほど、滑らかな音に変換可能です。ビット深度が大きいほど、音を繊細に表現できます。
ギター録音時のオーディオインターフェースの設定のポイント
ギター録音時におけるオーディオインターフェースの設定ポイントについて、下記の3点を解説します。
- インプットレベルの調整
- モニタリング方法
- レイテンシー問題の解決
インプットレベルの調整
ギターを録音する際は、音質を保つためにインプットレベルの調整が必要です。インプットレベルの調整とは、ギターの出力に合わせて録音機器の入力感度を設定することです。インプットレベルを正しく調整すると、クリアな音で録音できます。インプットレベルを調整する際は、下記の点に注意してください。
- ピークメーターを使って確認する
- クリッピング(信号が歪むこと)を避ける
- インプットゲイン(入力感度)を設定する
インプットレベルが0dbを超えると音が割れてしまうので注意が必要です。
インプットレベルの適切な調節で、高品質なギター録音が可能となります。
おすすめの設定方法は、曲の中で一番大きな音を出すプレイのところを弾いた時にクリッピングしないギリギリのレベルで設定する方法です。
小さすぎず大きすぎず、適切な音量設定が求められます。
モニタリング方法
ギター録音の品質を高めるには、適切なモニタリングが必要です。モニタリングとは、録音中の音をリアルタイムで聴いて確認することを指します。モニタリングすると録音しやすくなるだけでなく、音質の問題を発見しやすくなります。効果的にモニタリングするための方法は、下記のとおりです。
- ヘッドホンやモニタースピーカーの使用
- ダイレクトモニタリング機能の活用
- ソフトウェアでのモニタリング設定
マイク録音の場合、密閉型のモニターヘッドホンは必須アイテムです。「密閉型」ではないヘッドホンを使用すると音漏れが録音に乗ってしまうので避けましょう。
シールド入力のみの場合(エレキギターなど)外部の雑音は入りませんが、正確に録音するためにもやはり録音時のヘッドホンはあった方が良いです。
モニタースピーカーは、録音後の確認として使うのがよいでしょう。ヘッドホンよりも客観的な視点でモニターすることができます。
DAWソフトでトラックのモニターボタンをONにすると、入力音が聴き取りやすくなります。音の遅延(レイテンシー)が気になる場合はモニターボタンをOFFにし、オーディオインターフェースの「ダイレクトモニタリング機能」を使いましょう。これもスイッチひとつでできるはずです。
レイテンシー問題の解決
ギター録音の音質を向上させるには、レイテンシー問題の解決も大切です。レイテンシーとは、音の入力から出力までの遅延を指します。レイテンシーが大きいと、演奏や録音が難しくなります。レイテンシーを減らし、快適な録音環境を作るための方法は下記のとおりです。
- バッファサイズを最適化する
- ドライバーを更新する
- 不要なアプリを閉じる
- オーディオ処理の優先度を設定する
- サンプリングレートとビット深度を調整する
- 有線接続を利用する
PCの容量不足だったり、他に開いているアプリがあると処理速度が低下しレイテンシーが発生しやすくなります。
不要なアプリは閉じ、PCを再起動させることでレイテンシーが解決することも経験上あります。
上記の方法を実践すると、レイテンシーを減少させて快適なギター録音が可能です。
YAMAHAのSYNCROOM(シンクルーム)のオンラインセッションなどで遅延があるのは通信の問題なので、Wi-Fiではなく有線LAN接続を検討しましょう。
オーディオインターフェースを使った録音の流れ
オーディオインターフェースを使った録音の流れとして、下記の3点を解説します。
- DAWソフトと連携する
- マイクやシールドをセッティングして録音する
- 録音データを編集する
DAWソフトと連携する
ギターを録音するには、オーディオインターフェースとDAWソフトの連携が必要です。連携の手順は以下のとおりです。
- ドライバーをインストール
- パソコンに接続
- DAWソフト上でオーディオインターフェースを選択
上記の手順でオーディオインターフェースとDAWソフトが連携できます。サンプリングレートやビット深度を適切に調整すると、高品質な録音が可能です。
マイクやシールドをセッティングして録音する
録音で使用するマイクの位置やシールドをセッティングしましょう。
アコースティックギターの場合、マイクの位置が非常に重要になってきます。コンデンサーマイクでギターの12フレットあたりを狙うようにセッティングするのがおすすめです。
バックトラックに合わせて録音する場合は、別トラックに「オーディオトラックの取り込み」を行ってから、バックトラックの音を聴きながら録音しましょう。
エレキギターの場合は、DAWソフトのプリセットの中から適した音色を選んでざっくり調整をしてから録音しましょう。
録音データを編集する
録音したデータの編集は、不要な部分のカットとエフェクトの調整がメインです。
プレイ前後の無音部分はできるだけ自然にカットしましょう。
エフェクトを上手に使うと、音楽をより豊かに表現できます。ギターの録音によく使うエフェクトは、以下のとおりです。
- イコライザー(EQ):音の周波数帯域を調整する
- コンプレッサー:音の強弱を整える
- リバーブ:空間的な広がりを作る
上記のエフェクトを調整すると、音に艶が出てリスナーに聴きやすいサウンドになります。
最終的な音を確認しながら、必要に応じて調整しましょう。
まとめ
オーディオインターフェースは、音楽制作やギター録音に欠かせない機器です。適切なオーディオインターフェースの選択は、録音の品質を大きく左右します。ギター用オーディオインターフェースを選ぶ際は、下記の点に注意してください。
- インプット数
- 予算と機能のバランス
- ソフトウェアやデバイスとの互換性
- サンプリングレートとビット深度
ギター用オーディオインターフェースを使って「何がしたいか」が重要になってきますので、ご自身のやりたい事を決めてから今回の記事を参考にしてもらえると良い選択ができます!
自分のニーズに合ったオーディオインターフェースを見つけましょう。