宅録をするにはDAWソフトが必要です!
いきなりこう言われても、困ってしまいますよね。
音楽制作に興味があるけれど、自分はプロのミュージシャンでもなく、機材も持っていない。
そんな状況で、DAWソフトというものが必要なのか、どう選べばいいのか分からないというのは当然のことです。
僕自身も初めてDAWソフトを使った時、何から始めていいのか全く分からず、挫折しそうになったこともあります。
しかし、実際に使ってみると、DAWソフトは自分のアイデアを形にする最も身近な道具となります。
どのDAWソフトを選ぶかは、あなたの音楽制作に対する目的や好みによって異なります。
この記事では、初めてDAWソフトを選ぶ方々に向けて、わかりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
宅録機材の効率のよい選びかたについては↓の記事を参考にしてください。
また、良いオーディオインターフェースに巡り合えずに困っている方はこちらの記事が参考になるかもしれません。
配信のYAMAHA AG03MK2|宅録のMOTU M2|完全比較ガイド!
DAWとは?目的や予算によって選ぶべきソフトが違います
DAWとはDigital Audio Workstationの略で、パソコンで作曲・編曲などの音楽制作を行うソフトウェアの名称です。
つまり「パソコンを使って音楽制作をするためのソフトウェア」のことです。
録音した音源を編集したり、エフェクトをかけたり、複数の音源をミキシングして一つの曲に仕上げたりすることができます。
楽器を演奏する必要がなく、パソコン上で編集するため、自分で楽曲を制作する人や、自宅で音楽制作をする人にとって便利なツールです。
また、様々なDAWソフトがあり、それぞれに特徴があるため、目的や好みに合わせて選ぶことができます。
DAWソフトの選び方をざっくりご紹介します
まず、宅録入門者がDAWソフトを選ぶ際に直面するかもしれない悩みを3つ挙げます。
宅録入門者がDAW選びで直面する悩み
予算の問題 操作性の問題 機能の問題
上記3つが最初のDAW選びで特に重要なことです。
順番に見ていきます。
DAWを「予算で選ぶ」
DAWソフトには、フリーで使えるものから年間数万円するものまで、様々な価格帯があります。
初めてDAWソフトを使う場合、予算の制約からどのDAWソフトを選べば良いか迷うことがあります。
予算内で、自分の目的に合ったDAWソフトを選ぶことが重要です。
DAWソフトに初めて触れる場合、フリーソフトから選ぶと良いと筆者は思います。
DAWを「操作性で選ぶ」
DAWソフトには、それぞれ独自の操作方法やインターフェースがあります。
初めてDAWソフトを使う場合、どのDAWソフトが自分に合っているか判断することは難しいかもしれません。
複数のDAWソフトを試してみるか、オンラインのレビューやチュートリアルを参考にすることが有効です。
DAWを「機能で選ぶ」
DAWソフトには、それぞれ様々な機能があります。
例えば、MIDI機能が強いDAWソフトや、ビートメイキングに特化したDAWソフトなどがあります。
オーディオレコーディングに強いDAWソフトもあります。
自分が作りたい音楽に必要な機能がDAWソフトに備わっているかどうかを確認することが重要です。
また、将来的な音楽制作のスタイルに合わせてDAWソフトを選ぶことも考慮する必要があります。
有名なDAWソフトを各種紹介します
目的や予算から選ぶといっても、ソフトが多すぎて選べない。
こんな方も多いかと思います。
おすすめは「有名なソフトの中から選ぶ」です。
なぜなら有名なDAWソフトでユーザーが多いほど、操作がわからなかったときにいくらでも情報が出てくるし、ユーザー同士でデータのやりとりがしやすいからです。
今回は有名なDAWソフトからおすすめを5つ厳選して、その特徴を説明します。
Pro Tools:プロフェッショナルなDAWソフト
Pro Toolsは、業界標準とされるDAWソフトで、音楽制作やポストプロダクションに広く使われています。
特に、映画やテレビ番組の音楽制作やサウンドトラック制作には欠かせないツールです。
Pro Toolsは、録音、編集、ミキシング、マスタリングなど、あらゆる音楽制作作業を高品質かつ効率的に行うことができます。
Pro Toolsをオススメするのはこんな人
- サウンドエンジニアさんとやり取りが多い人
- 年間1〜8万円のサブスクで最高級なソフトを使いたい人
- オーディオレコーディングの操作性重視な人
- Pro Toolsの価格帯
- Pro Tools Intro:無料
Pro Tools Artist:12,870円
Pro Tools Studio:38,830円
Pro Tools Ultimate:77,880円
(Artist、Studio、Ultimateはいずれも年間サブスクリプション価格)
Pro Toolsが学べる書籍はこちらです。
Pro ToolsはDAWの中でもっとも有名なソフトです。
質は確かですが、初めて購入される方には正直ハードルが高すぎると思います。
ご自身のスタイルに合わなかったら最悪なので、使うのであれば無料版(Pro Tools Intro)から入るのをおすすめします。
Logic Pro:直感で操作できるインターフェースが人気
Logic Proは、Macユーザーに人気の高いDAWソフトウェアです。
僕はLogic Pro Xのヘビーユーザーです。
シンセサイザーやドラムマシン、エフェクトなどが豊富に搭載されており、音楽制作に必要な機能を網羅しています。
また、MIDI編集やノートエディット機能などが充実しており、作曲やアレンジに向いています。
オーディオレコーディングも得意で、ピッチ調整やタイミング調整もかんたんにできます。
Logic Pro XはApp Storeで定価24000円、年間サブスクリプション無しで購入以降のアップグレードは無料です。
Logicをオススメするのはこんな人
- コスパ重視の人
- オーディオレコーディングとMIDI打ち込み両方を行う人
- 感覚で操作したいタイプの人
Cubase:初心者からプロフェッショナルまで
Cubaseは、音楽制作に必要な機能を網羅したDAWソフトウェアで、プロフェッショナルな音楽制作やレコーディングに向いています。
特に、MIDI編集機能が充実しており、作曲やアレンジに向いています。
また、VSTインストゥルメントやエフェクトなどが豊富に搭載されており、高品質な音楽制作が可能です。
Cubaseは「なんでもできる万能ソフト」といった印象のDAWで、操作性も良好です。
無料版のCubase LEやCubase AIはオーディオインターフェースを購入すると専用アクセスコードが付属してくることが多いです。
また、モバイル版の「Cubasis」というDAWアプリも販売されています。
モバイル版の「Cubasis」アプリは、パソコンを用意するほど本格的に宅録するのではなくて「お手軽にタブレットで作曲したい」という方にも嬉しい内容です。
Cubaseをオススメするのはこんな人
- 高品質な音楽制作がしたい方
- iPadなどタブレットでも制作したい方(Cubasis)
- オーディオインターフェースに付属のCubaseアクセスコードをお持ちの方
- Cubaseの価格帯
- Cubase AI:無料
Cubase LE:無料
Cubase Elements:13,200円
Cubase Artist:35,200円
Cubase Pro クロスグレード:41,800円
Cubase Pro:62,700円
(アカデミック版はさらに安くなりますが、学生証の提示が必須です。)
Cubaseが学べる書籍はこちらです。
現在はCubase○○ 12が最新版で、ナンバリングのバージョンアップで追加費用が発生します。
Ableton Live:ライブ演奏やDJプレイに
Ableton Liveは、リアルタイムのライブ演奏やDJプレイに最適なDAWソフトです。
シーケンサーやサンプラー、エフェクト、MIDI編集機能などが搭載されており、高速な作業を可能にします。
また、ループ機能が優れており、簡単にループを作成して、リアルタイムで演奏することができます。
Ableton Liveをオススメするのはこんな人
- ライブパフォーマンスや即興演奏に重点を置く人
- 電子音楽やエレクトロニックミュージックを制作する人
- シーケンスやループベースの作業フローを好む人
Studio One:初心者や歌ってみたユーザーにも人気
Studio Oneは、直感的で使いやすいインターフェイスが特徴的なDAWソフトです。
録音や編集、ミキシング、マスタリングなどの作業が簡単に行え、初心者にも扱いやすいソフトウェアです。
また、VSTプラグインの自動検出や、MIDI編集機能などが充実しており、高品質な音楽制作が可能です。
充実した機能性にもかかわらず、複数のプラグインを立ち上げても動作が軽いのも魅力のひとつです。
Studio Oneをオススメするのはこんな人
- 直感的でシンプルな操作性を好む方
- 使用しているPCのスペックが低い・古い方
- Studio Oneの価格帯
- Studio One Prime:無料
Studio One Artist:13,200円
Professionalクロスグレード:39,600円
Studio One Professional:52,800円
以上、有名なDAWソフトの特徴を挙げてみました。
それぞれのDAWソフトは得意分野や使い勝手が異なるため、自分の目的や使い方に合ったものを選ぶことが大切です。
無料DAWソフトもあります
DAWソフトの中には、無料で使えるバージョンもあります。
機能や環境などいくつかの制約がある場合が多いですが、お試しという意味ではDAWソフトに触れる良い機会ですよね。
無料DAWソフトはどこで入手でき、どんなソフトがあり、無料ゆえのメリットとデメリットは何か?などを探っていきましょう。
無料DAWソフトはどうやって手に入れるの?
音楽制作に興味を持っている人にとって、無料のDAWソフトは魅力的な選択肢です。
では、これらの無料のDAWソフトをどのように入手するのでしょうか?
実際には、インターネット上から簡単にダウンロードすることができます。
公式ウェブサイトや開発元のサイトを訪れ、無料のバージョンを見つけることができます。
一部のDAWソフトウェアは、完全な機能を備えた無料のバージョンを提供していますが、一部の制限付きバージョンや体験版もあります。
注意点として、信頼できるソースからのみダウンロードするようにしましょう。
おすすめ無料DAWソフトを紹介
無料のDAWソフトは2種類に分けられます。
「有料DAWの無料版(デモや体験版)」と「フリーソフトとして開発されたDAW」です。
そのうち有料版に移行したいと思っているのであれば前者を、フリーソフトを使い倒したいのであれば後者を選ぶのがよいかと思います。
無料のDAWソフトの中には、高品質な機能を提供するものもあります。
以下にいくつかの有名な無料DAWソフトを紹介します。
おすすめの無料DAWソフト
- ProToolsIntro:業界標準とされるDAWソフトウェアで、世界中のレコーディングスタジオで使用されているソフトの無料版。
Avid公式HPからダウンロード可能。 - Garageband:Logicの無料版。iOSユーザーにはお馴染み、Mac専用ソフト。iPhoneでも使える。AppStoreから検索で入手。
- CubaseLE:プロフェッショナルな音楽制作やレコーディングに向いています。僕も使ったことのある無料版ソフト。オーディオインターフェースにアクセスコードが付属されているものがある。
- StudioOnePrime:Cubaseの開発エンジニアが1からつくったDAWで、Cubaseの不満点が解消されていると言われておりユーザー数を増やしている。
PreSonus公式HPからダウンロード可能。 - CakewalkbyBandLab:Windows専用ソフト。有料ソフトSONORの最上位クラスが無料になって復活したもの。
BandLab公式HPからダウンロード可能。
『無料DAWソフト』のメリット・デメリット
無料のDAWソフトには、それぞれ独自のメリットとデメリットがあります。
メリット1:無料で利用可能
最大のメリットは、無料で利用できることです。
つまり初心者や予算の制約がある人にとって、コストを抑えながら音楽制作を始めることができます。
メリット2:学習に適している
無料のDAWソフトは、使いやすいインターフェースや基本的な機能を備えています。
初心者の方や音楽制作に慣れていない方にとって、学習のハードルが低くなります。
手軽に始めて基礎を学べるのは、無料ソフトの大きなメリットです。
メリット3:有料版への移行がかんたんになる
大手DAWソフトの無料版を体験することで、そのソフトの特徴や操作性を知ることができます。
有料版を購入する前段階として無料版を使用すると、今後有料DAWソフトへ移行するハードルが低くなってとても良いと思います。
デメリット1:機能の制限
無料のDAWソフトウェアは、プロフェッショナル向けの有料ソフトウェアに比べて機能が制限されている場合があります。
高度なエフェクトやプラグイン、サンプルライブラリなど、一部の機能やリソースが制約されている可能性があります。
デメリット2:サポートの制約
無料のDAWソフトウェアは、有料の製品に比べてサポートが限られていることがあります。
問題が発生した場合や質問がある場合には、自力で解決する必要があるかもしれません。
オンラインコミュニティやフォーラムを活用することが重要です。
デメリット3:プロジェクトの互換性
一部の無料のDAWソフトは、他のプロフェッショナル向けのソフトとの互換性に制約がある場合があります。
プロジェクトのやり取りや他のミュージシャンとの協力が必要な場合には、互換性の問題に注意が必要です。
以上が、無料のDAWソフトのメリットとデメリットです。
無料のDAWソフトは、予算に制約のある初心者や興味を持った人にとって、素晴らしい選択肢となります。
学習や創作活動の初期段階で利用することで、音楽制作の基礎を築き、自己表現のスキルを向上させることができます。
しかし、機能の制約やサポートの制約、プロジェクトの互換性には注意が必要です。
自身の目標やニーズに合ったDAWソフトを選ぶことが重要です。
無償で利用できるDAWソフトを活用しながら、自分の音楽制作の旅を楽しんでください。
結論:最初は無料ソフトから入るのがいいかも!
初心者の方には、最初は無料のDAWソフトから始めることをおすすめします。
無料のDAWソフトは費用をかけずに音楽制作の基礎を学び、コミュニティとの交流やコラボレーションの機会を広げることができます。
将来的に有料ソフトへのアップグレードも検討できます。
無料のDAWソフトは初心者の方にとって手軽で魅力的な選択肢です。
これから音楽制作してみたい方は、ぜひご検討してみてください。
また、宅録機材の効率のよい選びかたについては↓の記事を参考にしてください。
それでは、また!