こんにちは!自宅レコーディングコンテスト【録れコン】でファイナリストに選出された経験があるほっしー(@studiohossy)です。
普段から弾き語りをしていると、自分の演奏を多重レコーディングするときにギクシャクしてしまいませんか?
ギターを弾きながら歌うことに日頃から慣れているので、別々に録ることに違和感があるんですよね。
今回は、日頃から弾き語りをしている方が自然に多重録音できる方法を紹介します!
まず結論から言ってしまうと、
- STEP1:弾き語りで仮歌を録る
- STEP2:アコギを録る
- STEP3:歌を録る
この3ステップを踏むことであなたの弾き語りが今より上手に録れます。
何故この3ステップで弾き語りを上手に録れるようになるかというと、弾き語りのグルーヴ感を再現しやすくなるからです。
弾き語りはギターと歌が一体になったエネルギーの流れがあります。
弾き語りはこの「一体感」とか「グルーヴ感」が大事なんです。
ですからゼロの状態からアコギのバッキングだけ録るとボーカルの状態が見えてこないので、本来のパフォーマンスが発揮できません。
それに伴奏ギターだけ弾いていると曲の中でけっこう迷子になりますよね。(今どこ弾いてるんだっけ?)
そのため、STEP1で弾き語りバージョンを収録して雛形にすることが最適だと言えます。
具体的な手順と注意点を紹介します。
アコギと歌の別録り方法手順
そもそもさぁ、何故「一発録り」ではなくわざわざ「別録り」するの?
弾き語りなんだから歌とギターを一緒に録ればいいんじゃない?
弾き語りなのに「歌とギター」を別に録る理由、それはギターと歌を別々に録ると圧倒的に編集しやすいからです。
別々に録っていれば「ボーカル」「ギター」それぞれのトラックの音色を自由に編集できますが、一発録りだと「ギターボーカル」の1トラックになるので細かな編集が難しくなってきます。
特にピッチやリズムの編集機能など、現在のレコーディングソフトの機能は大変優れているので、このようにレコーディングが楽になる機能は積極的に取り入れていきたいですよね。
それらを取り入れるにはギターと歌の「別録り」が前提となります。
では、ギターと歌を別々に録る具体的な手順を説明します。
STEP1:仮歌を弾き語りで録る
まずはマイク一本で弾き語りを録音します。
仮歌を弾き語りで録るポイント
✔️ピッチや音質は無視してOK
✔️DAWのメトロノーム(クリック音)を必ず使うこと
✔️弾き語りのグルーヴ感をテンプレートすることが目的
あとでこの弾き語りテイクを聴きながら本番を録っていくので、テンポやリズムには最大限注意して演奏します
STEP2:アコギを録る
STEP1で録った弾き語りを聴きながら本番のギターテイクを録っていきます。
アコギを録るポイント
✓マイキングをしっかりし、良い音での録音を心がける
✓仮歌のバッキングやボーカルに合わせ、弾き語りのグルーヴ感を大切にする
ギターのマイキングはこだわると時間を要しますが、マイキングを一瞬で真似できて良い音で録れる方法があるので初心者でも手軽に良い音質|たった5分でできるマイキングとミキシングの記事を参考にしていただけると嬉しいです。
STEP3:歌を録る
STEP2のギターテイクを聴きながらボーカルをレコーディングしていきます(弾き語りの仮歌はミュートしてください)
歌を録るポイント
✓マイクとの距離に注意する
✓数テイク録る時はなるべく日をまたがないようにする
特にボーカルはマイクとの距離によって音量や音質がぜんぜん変わってきますので、なるべく同じ距離から集音されるよう配慮してください。
「数テイク録るときは日を跨がないように」というのも、日が変わると音量や音質が変化してしまうからです。昨日と今日では喉のコンディションが違うので「Bメロは別に録ったな」とすぐにわかってしまいます。
特に弾き語りの場合「歌」が目立ちますので、数テイクがナチュラルにつながるよう心がけながらレコーディングしていくと良いでしょう。
レコーディング部屋の環境について
弾き語りを上手に録るには、録音する部屋の環境について考えておくと良いです。
録音する部屋の環境というのは、次の二つの項目があります。
- 部屋鳴りを防ぐ(吸音)
- 音漏れを防ぐ(遮音)
防音には吸音と遮音という考え方があります。
吸音とは、壁に当たった音を反射させずに吸収させること。
遮音とは、音が壁などを通過させずに遮断させること。
この2つを対策することで防音効果は高まります。
順番に見ていきましょう。
部屋鳴りを防ぐ(吸音)
ホールのように反響する場所は歌っていて気持ち良いのですが、実は録音に適しません。
なぜなら、あとの編集で響きを「加える」ことはできても響きを「抑える」ことはできないからです。
つまり初めから響いた環境で録音してしまうと、あとで反響を取り除くことができなくなってしまうからです。
そのため、できるだけ部屋の反響音を抑えた環境で録音すると良いとされています。
ものがたくさんある部屋は反響が少ないので、録音に適します。
家具が何もない状態の部屋はとても響くので、録音には適しません。
特に布団やソファー、カーテンなどがあると部屋鳴りがだいぶ抑えられるのでおすすめです。
吸音材を壁に貼り付ける人も多いです。
僕は「チチカカ」とか「チャイハネ」とかで買った布を壁に貼っていましたが、見た目的には吸音材の方がレコーディングルームっぽくてかっこいいですね。
↓吸音材とはこんなかんじのもの↓
これらを壁一面でなくとも、レコーディング時の目線の高さでピンポイントで貼っていくと効果があると言われています。
サウンドハウススタッフの方のブログが参考になりましたので、よろしければご覧ください。
Auralexの吸音材Studiofoam Wedgesを自室に綺麗に貼ってみた|サウンドハウス (soundhouse.co.jp)
音漏れを防ぐ(遮音)
「部屋に入ってくる音」と「部屋から出ていく音」について考えましょう。
つまり「ご近所への騒音対策」と「レコーディング時に環境音の侵入を防ぐ」ことを考える必要があります。
実際僕がおこなっていた対策は3つあります。
- カーテンを遮音カーテンに変更する
- 壁に遮音シートを貼りまくる
- 部屋の入口に隙間テープを貼る
当時築40年くらいの古い借家に住んでいたので、とにかく隙間だらけでした。
この3つの中でオススメできるのは隙間テープですね。安くて簡単でそれなりの効果があります。
他の部屋からの遮音は、部屋の入口に隙間テープを貼ることで効果が出ます。
遮音カーテンは正直微妙です。
窓は可能ならシングルサッシ→二重サッシに変えるとか、内窓をつけると劇的に改善するのでしょうが、とにかくお金がかかるので普通のカーテンを遮音使用のカーテンに変えると「気持ち程度」ですが遮音されます。
壁に「遮音シート」を貼りまくるのは、正直効果はあったと思いますがめちゃくちゃ大変でした。
まずホームセンターでぐるぐる巻きになった遮音シートを買ってきます。
長さ10mで3、4千円くらいで購入できます。こんなやつです↓
まずこれがクソ重いです。運ぶだけでも一苦労。。買うなら通販一択だろ!と、今なら思います。
必要な長さに切って、タッカーで壁に貼り付けていきます。
タッカーとはこういうやつです↓
壁にうちつける用のホッチキスですね。
ホッチキスの針が壁にまっすぐ刺さるだけなので、壁へのダメージは極めて小さいです。針痕くらい。
なるべく隙間なく部屋の全方位に貼り終えると、真っ黒な部屋が出来上がります。
その上から、必要部分だけ吸音材を貼り付けます。(僕は白い布を貼り、吸音効果と部屋の雰囲気を緩和させました)
先ほど申し上げた通り、遮音効果はそれなりに期待できますがめちゃくちゃ大変です!
汗だくになりますので覚悟してくださいね。
騒音問題がやばいとか、極端な環境でなければここまでする必要はないですよ。
PCでもiPhoneでも多重レコーディングできます
実は今回紹介した方法、PCだけではなくiPhoneでも可能なんです。
しかもiPhoneならオーディオインターフェース不要で、iPhoneとマイクがあればどこでもレコーディングできるという利点があります。
詳しくはiPhoneでレコーディング|HypeMicはコスパ最強!の記事で紹介しています。
HypeMicは本体サイズが小さめ(高さ12cm)なので通常コンデンサーマイクの半分ていどの大きさです。
スリムでスタイリッシュ、持ち歩くにも便利ですよ。
では、今回の記事のまとめにうつります。
今回は「アコギと歌を上手に別録りする方法」と題して、あなたの弾き語りを上手に録る方法を紹介しました。
- STEP1:弾き語りで仮歌を録る
- STEP2:アコギを録る
- STEP3:歌を録る
この3ステップで簡単に上手に録れます。
一番重要なのは、STEP1の「弾き語りを仮歌で録る」工程ですね。
弾き語りの良さである「一体感」と「グルーヴ感」を損なわずに別録りするには、STEP1の工程を踏むことで圧倒的に再現しやすくなります。
また、弾き語りなどシンプルなレコーディングこそ「環境」に左右されやすく、レコーディング部屋の環境について大事なことを紹介しました。
- 部屋鳴りを防ぐ(吸音)
- 音漏れを防ぐ(遮音)
吸音とは、壁に当たった音を反射させずに吸収させること。
遮音とは、音が壁などを通過させずに遮断させること。
この2つを対策することで防音効果は高まることを紹介しました。
壁に布を貼ったり部屋の入口に隙間テープを貼るなど、安くてすぐできることもあります。
今回試せることは多いと思うので、是非実践してみてコメントください。
それではまた。