
ギターのお手入れってどこまで自分ですればいいの?正しいメンテナンス方法を知りたい。
ギターを長持ちさせるには正しいお手入れ方法や時期が大切です。
メンテナンスを怠るとギターの音が悪くなり、弾きにくくなってしまいます。演奏しにくいと、音楽の楽しさが半減してしまいますよね。
ギターの寿命を長く維持するためにも、正しいメンテナンス方法を知っておきましょう。本記事では、ギターの部位ごとのメンテナンス方法や季節ごとの対策を詳しく解説します。
この記事を読めば、ギターを常に最適な状態に保ち、寿命を長く維持することができます。ぜひ最後までご覧ください。
» 初心者向け!ギターの基本的な操作方法と練習方法
ギターのメンテナンスが必要な理由

ギターのメンテナンスが必要な理由は、楽器の性能を最適な状態で保つためです。
定期的にメンテナンスをし楽器の性能を最適な状態で保つことで、次のようなメリットがあります。
- 演奏のパフォーマンスが上がる
- 楽器の寿命が伸びる
順番に見ていきましょう。
演奏のパフォーマンスが上がる
定期的なメンテナンスを怠ると、ネックの反りやピッチのズレが生じ、演奏がしにくくなります。また、汚れが溜まると指がスムーズに滑らず、本来の演奏能力を発揮できません。
そのため、日常的なメンテナンスがとても重要です。ギターを清潔に保つことで、快適な演奏が可能になり、パフォーマンスの維持にもつながります。
特に、演奏後のネック・弦・ボディの拭き上げは欠かせません。また、 弦交換の際はフレット掃除のチャンスなので、丁寧にケアするとより良い状態を保てます。
» ギターフレットの基礎と適切なメンテナンス方法
楽器の寿命が伸びる
適切な扱いと保管を心がけることで、ギターを長く快適に使用することができます。
特に湿度管理は重要なポイント。湿度が高すぎると木材が膨張し、低すぎると乾燥してひび割れの原因になります。最適な湿度(40〜50%程度)を保つようにしましょう。
また、急激な温度変化にも注意が必要です。例えば、夏場に車内へ放置すると高温で接着剤が溶けたり木材が歪んだりして、ギターが一発でダメになることもあります。
日頃から適切なメンテナンスを行うことでギターの品質を最大限に引き出し、長く楽しむことができます。
【部位別】ギターのメンテナンス方法

ボディ、ネック、フレット、ヘッド、ペグ、弦にそれぞれ適したメンテナンス方法があります。定期的にお手入れし、長期間にわたり良い状態で演奏できるよう心がけましょう。
部位別にギターのメンテナンス方法を解説します。
ボディのメンテナンス
ギターのボディは、傷や汚れから守るために塗装されています。ギターによって塗装の種類が違い、メンテナンス方法が変わってきますので注意が必要です。
ギターの塗装には主に以下の種類があります。
- ポリウレタン塗装・ポリエステル塗装
- ラッカー塗装
- オイルフィニッシュ
- 艶消し塗装
塗装の種類によって使用するメンテナンスアイテムが違うので、かんたんに紹介します。
ポリウレタン塗装・ポリエステル塗装のボディ
比較的安価な量産型ギターには、ポリウレタン塗装・ポリエステル塗装が施されています。これらの塗装は、どのポリッシュでも大体は大丈夫です。
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ラッカー塗装のボディ
ヴィンテージギターなど高級なギターにはラッカー塗装が施されています。とても薄い塗装で、ラッカー対応のポリッシュを使用する必要があります。
現在はラッカー対応のポリッシュが増えているようですが、ラッカー対応と書いてあっても諸説あるものが多い印象です。。

なるべく口コミが多く安全なものがいいな。
そう思って僕が使っているのがこちらです。
オイルフィニッシュのボディ
木にオイルを染み込ませたタイプのギターです。オイルフィニッシュ専用のものがあるので、こちらを使用してください。
艶消し塗装のボディ
ギターによっては艶消し仕上げのボディもあります。
艶消し塗装対応のポリッシュはなかなかありませんが、すべての塗装タイプに対応していて評価が高い「ミラクルギターポリッシュ」が適しています。
ボディのメンテナンスは、 外観を美しく保つだけでなく、音質の維持にもつながります。ホコリや汚れが蓄積すると、木材の劣化や塗装のダメージにつながるため、定期的なケアが必要です。
日常的なメンテナンス としては、柔らかい布でボディ表面のホコリを拭き取るのが基本です。柔らかい布を使うことで、細かい粒子による傷を防ぎながら、優しく汚れを落とせます。

乾拭き用とポリッシュ拭き用など、クロスは2枚以上持っておくのがよいです。
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僕はこのクロスを数枚まとめ買いしています。
安いけど高級感があって肌触りがいいので本当におすすめです。
ネックとフレットのメンテナンス

ネックとフレットは最も手が触れる部分であり、汚れが付きやすいため、適切なメンテナンスが欠かせません。以下のポイントを押さえて、ギターのコンディションを保ちましょう。
① 弾き終えたら毎回クロスで拭く
ギターを弾き終えたら、ボディからネックまで乾拭きし、ギターケースに片付けるのが基本です。手の汗や皮脂がネックやフレットに蓄積すると、劣化やサビの原因になるため、こまめなケアを心がけましょう。
② ネックの反りをチェック
ネックが反ると演奏に影響が出ます。
- 順反り → 弦高が高くなり、弾きにくくなる
- 逆反り → 弦高が低くなり、ビビりが発生する
違和感を感じたらリペアショップにネック調整を依頼しましょう。
③ フレットのすり減りに注意
長年ギターを弾いていると、フレットがすり減り 音のビビりやチューニングのズレ が発生することがあります。フレットの状態が悪くなったら、 「すり合わせ」や「リフレット」 をリペアショップに依頼するのがおすすめです。
定期的なメンテナンスを行い、ギターを最良のコンディションで楽しみましょう。
ヘッドとペグのメンテナンス
ヘッドはホコリが溜まりやすい部位ですが、ペグから出た弦の先端が邪魔になり、普段の掃除が難しい場所でもあります。そのため、弦交換のタイミングで掃除をするのが効率的です。
① ヘッドの掃除
弦を外した状態で、クロスを使ってホコリを優しく拭き取りましょう。このとき、傷がつかないように柔らかい布を使用するのがポイントです。
② ペグのメンテナンス
ペグにホコリが付着すると、動きが悪くなりチューニングが不安定になることがあります。定期的に乾拭きし、汚れを溜めないようにしましょう。
もしペグが故障した場合は、リペアショップで交換が可能です。大手楽器店では1つ660円ほどで交換できることが多いので、異常を感じたら早めの対応をおすすめします。
ペグが完全に壊れるとチューニングができなくなってしまうため、違和感を感じたらすぐにチェックすることが大切です。
» 演奏の質をアップさせる!ギターのチューニング
弦の交換とメンテナンス

ギターの弦は一般的に2〜4週間が寿命と言われています。寿命を過ぎると音の輝きが失われ、錆びやすくなります。
弦の寿命と交換の目安
- 通常の弦 → 1ヶ月に1回 の交換が理想
- コーティング弦 → 3〜6ヶ月 もつため、交換頻度が少なくて済む
弦が錆びるとフィンガリングやピッキングがスムーズにできなくなり、演奏に悪影響を及ぼします。
日常的なメンテナンス
弾き終えた後は、弦にも汚れが付着しているため、クロスでしっかり拭き取りましょう。
特に湿度の高い場所での保管は錆びの原因になるので注意が必要です。
弦交換のタイミングでギターをメンテナンスしましょう
弦を交換する際は、普段掃除できないヘッドからブリッジまでをしっかり拭き上げる絶好のタイミングです。
古い弦を外したら、ギター全体をクロスで丁寧にメンテナンスしてピカピカにしましょう。
季節に応じたギターのメンテナンス

ギターの保管に最適な気温は20〜25℃、湿度は45〜55%と言われています。夏場や冬場にギターを保管する時は、温度と湿度に気を配る必要があります。
季節に応じたギターのメンテナンスは、楽器の状態を最適に保ち、長持ちさせます。ギターは木製パーツを多く使用しているため、気温や湿度の変化に敏感です。
季節ごとのメンテナンスを適切に行い、ギターを常に最良の状態に保ちましょう。
夏期のメンテナンス
夏は高温多湿の季節であり、ギターの木材が膨張しやすくなります。湿度を管理することが重要です。夏期は、以下の点に注意しましょう。
- 湿度に注意 → エアコンや除湿機を使用し、湿度を適切に管理する
- 直射日光を避ける → 木材の変形や塗装の劣化を防ぐため、日陰に保管する
- 弦のケア → 錆びを防ぐために頻繁にクロスで拭き取り、必要に応じて交換する
- ネックの状態 → 湿度変化による木材の膨張・収縮に注意し、定期的にネックをチェックする
- ケース内の湿度 → 湿度調整剤を入れて、一定の湿度を保つ

夏場、ギターを車の中に置きっぱなしにしてボディが変形して剥がれたという恐ろしい話を聞いたことがあります。
夏場の適切なメンテナンスで、ギターを 長く良い状態で維持 しましょう!
冬期のメンテナンス
夏とは逆に、冬は空気が乾燥するため、ギターの木材が収縮し割れるリスクが高まります。以下のポイントに注意して、適切なメンテナンスを行いましょう。
- 湿度管理を徹底 → 木材の収縮を防ぐため、適切な湿度(45〜55%)を保つ
- ネックの状態 → 湿度変化による木材の膨張・収縮に注意し、定期的にネックをチェックする
- 保管場所に注意 → ストーブの近くは避け、なるべく温度変化の少ない室内に保管する

キンキンに冷えたギターを暖かい室内で開けると、ボディが結露してしまいます。ケースを開けず、しばらく経ってから出すとよいです。
冬期のメンテナンスでは、乾燥と温度差への対策が不可欠です。
ギターを適切にメンテナンスするポイント

以下の章では、ギターを長く愛用するためのメンテナンスのポイントを詳しく解説します。
メンテナンスのスケジュールを立てる
ギターの使用頻度や季節の変化に応じて、メンテナンスのスケジュールを立てることが理想的です。例えば、毎月1日をメンテナンス日と定め、ボディやネックの清掃、必要に応じて弦の交換を行いましょう。
忘れがちなのが、ピックアップの電池交換です。頻繁に電池切れになることはありませんが、ライブの本番で突然音が鳴らなくなることもありますので電池残量には気を配りましょう。
ピックアップによっては、ボタンを押すと電池残量が見れる親切なタイプもあります。
予備の電池を常にギターケースに入れておくことも重要です。
ギターのメンテナンス頻度を守る

毎日弾いていると、特に弦の交換時期がわからなくなります。

そんなに錆びていないし、拭けばまだイケる。
慣れっていうのは、こわいです。。
おすすめは、毎月◯日は弦交換の日とカレンダーに印をつけることです。
複数のギターを所有している方は、使用頻度に応じて2ヶ月や3ヶ月に一度などにメンテナンスしましょう。
弦交換の時に、レモンオイルやオレンジオイルで指板やフレットも掃除しましょう。その癖をつければ自動的に定期メンテができます。
大事なのは、何ヶ月も放っておかずにメンテナンスをすることです。
ギターの保管に適した環境を整える
定期的にメンテナンスをしていても、保管する環境が悪いと元も子もありません。
以下のような場所は避けましょう!
- 暑すぎる場所・寒すぎる場所
- 湿度の高い場所・湿度の低い場所
- 直射日光が当たる場所
ギターを含む楽器類は、気温は20〜25℃、湿度は45〜55%で日の当たらない場所でケースに入れて保管しましょう。
ケースには湿度調整剤を一緒に入れるのがおすすめです。
ギターの保管に適した環境を整え、さまざまなダメージからギターを保護しましょう。
ギターのメンテナンスに関するよくある質問

ギターのメンテナンスに関する、よくある質問をまとめました。適切な対応が楽器の寿命を大きく左右するので、長持ちさせるための参考にしてください。
弦はどのくらいの頻度で交換すればよい?
弾き方や湿度、弦の種類によって変わってきますが、目安は以下の通りです。
- 通常の弦 → 1ヶ月に1回 の交換が理想
- コーティング弦 → 3〜6ヶ月 もつため、交換頻度が少なくて済む
また、筆者の感覚では「低音が曇る」「高音が伸びない」「弾いたあと指が金属臭い」なども弦交換の目安にしています。
日常的にクロスで拭く、湿度を避けて保管するなどが弦の寿命を伸ばすコツです。
快適にギターを弾くために、日々少しずつメンテナンスをしていきましょう。
保管時には弦を緩める方がいい?
ギターのネックは、弦の張力によって反ってきます。ネックが反ると弦高が高くなるためフレットが押さえにくくなります。
それを避けるために弦は緩めて保管する方が良いという意見があります。
しかしこれは人によって意見が分かれる質問なので、僕の保管方法を紹介します。
- メインギター → 緩めない
- サブギター → 緩めない
- その他 → 緩める
僕は多数の弦楽器を所有しています。普段はMartinとGibsonを状況によって使い分けているので、その2本は弦を緩めず保管しています。
その他の楽器に関してはあまり弾かないので、少しずつ緩めて保管しています。(かるく蛇口をひねる程度の緩め方)
頻繁にメンテナンスしていて目の行き届くギターは弦を緩めず、あまり弾かない楽器は緩める、というのが選択肢のひとつでも良いと思います。

毎日締めなおすのがだるくて弾かなくなったら元も子もないですもんね。
リペアを依頼する判断は?
自分で直せるのか?放っておいても大丈夫なのか?リペアに出すべきなのか?そのあたりの判断って、特に初心者の方には難しい問題ですよね。
次のような症状が出ているときはリペアに相談した方がよいです。
- 音がびびるとき
- チューニングが合わないとき
- ギターにひび割れがあるとき
- ネックが反っているとき
- ペグ、ナットの交換
押さえる場所によって音がびびるのは、フレットがすり減っている可能性があります。その場合、フレットのすり合わせやリフレットになります。
チューニングが合わないのはネックが反っていたり捻れている可能性があります。ネック調整を依頼しましょう。
そしてギターがひび割れていたり破損がある場合、自分では治せませんのでリペアになります。
長期間メンテナンスを行っていない場合も、内部の点検やクリーニングをプロに依頼することがおすすめです。自分で対処が難しいと感じた場合は、無理に作業を行わずプロに頼りましょう。
まとめ

ギターのメンテナンスには、部位ごとのケアと季節に応じたケアがあります。さらに、メンテナンスのスケジュールを立て、定期的に行うことが大切です。
適切なお手入れを続けることで、ギターを長く愛用できます。また、保管時の温度や湿度の管理も重要なポイントです。
ご自身で対応が難しい場合は、楽器店やリペアショップに依頼しましょう。
ギターが常に良いコンディションであれば、演奏の楽しさも倍増します。
それでは、また!