ピッチ補正のやり方|音程の外れた歌を自然に直す手順を初心者向けに解説【Logic Pro】
こんにちは、ほっしー(@studiohossy)です。
宅録コンテスト「録れコン」でのファイナリスト経験を生かし、今回は初心者でも簡単にマスターできるピッチ補正ツール「Flex Pitch」の基本的な使い方・やり方をお伝えします。
結論から言うと、音程の外れた歌は、専用ソフトを買い足さなくても直せます。
Logic Proを持っているなら、標準搭載の「Flex Pitch」だけで完結します。追加費用はゼロです。
この記事では、実際の音源を「補正前」「補正後」で聴き比べられるようにしています。
まず耳で確かめてから読み進められるので、自分の歌がどのくらい直せそうか、イメージがつかめるはずです。
僕自身、このツールを使えるようになってから宅録の仕上がりが変わりました。とはいえ操作はむずかしくありません。覚えるのは実質6ステップだけです。
今回はLogic Proに内蔵されているピッチ補正ツール【Flex Pitch】の使用方法について説明します。
ピッチ補正ツールを活用すると下記のことができます。
- 何度録音しても外してしまうボーカルの音程も、割と簡単に補正してピッチを合わせられる
- ハモリにもピッチ補正をかけることで、より一層楽曲に馴染ませることができる
何度録り直しても同じところで外れてしまう——そんなときは、録り直しをあきらめる前にピッチ補正を試してみてください。
うまく使えば楽曲の質が上がるだけでなく、レコーディングの時短にもなります。
ピッチ補正って、どこまで直せるの?
先に正直なところをお伝えします。
「半音ずれた」「語尾が不安定」くらいなら、ほぼ自然に直せます。逆に、メロディを覚え違えているレベルのズレや、声が裏返ってしまった箇所は、補正より録り直したほうが早いです。
また、直しすぎるといわゆる「ケロケロボイス」になります。機械っぽさを出したくない場合のコツは、記事の後半にまとめました。
なお「そもそも音程を外さずに歌えるようになりたい」という方は、補正に頼る前にこちらもどうぞ。→ 音程がわからない人の直し方|音痴ではない理由と、今日からできる練習法
リズムのヨレが気になる場合は、同じFlex機能で直せます。→ 【初心者でもできる】リズム補正ツールの簡単なやり方
Flex Pitchの基本的な使い方

それではLogic Proに内蔵されているピッチ補正ツール【Flex Pitch】の基本的な使い方について、簡単な例を用いて説明します。
こういう音源があります。
うさぎおいし かのやまー
と
こぶなつりし かのかわー
マーカーの部分が特に外れてますよね。
それがピッチ補正後にはこうなります。
この記事を読むことで、最低このくらいの補正編集ができるようになります。
では順番にいきましょう。
1、アレンジ画面で補正したいトラックのリージョンをダブルクリック

補正したいトラックのリージョンをダブルクリックすると、エディター画面が表示されます。
2、Flexボタンを押しリージョンを解析する

上の赤色部分がFlexボタンです。これを押すとリージョンの解析が始まります。
3、補正の種類から【Flex Pitch】を選択

「音程」の補正や「タイミング」の補正ができます。
今回は音程の補正なので【Flex Pitch】を選びましょう。

すべて選択した状態で右クリックすると上の3項目が出てきます。
僕はだいたい「すべてをパーフェクトピッチに設定」にしてから
無理な補正をしている箇所(ケロケロボイスになってしまうところ)を選んでところどころ補正を緩和していくような方法をとっています。
4、各項目で補正を進める
Flex Pitchでは次の項目から補正ができます。
Pitch:音程自体を補正する項目です
Fine Pitch:細かい単位(1セント=1/100半音)でピッチ修正が行えます。音程の微調整で活躍します
Pitch Drift:指定しているノートの前後の音程を修正する項目です。これを行うことで、ノートの前後の繋がりをナチュラルにできたり、「語尾を上げる、下げる」など細かい調整が可能になります
Formant Shift:声質を変化させる項目です。ほぼ使いませんが、一部分だけ声質がおかしくなってしまった際に修正する事ができます
Vibrato:ビブラートの強弱を調整する項目です。ロングトーンが不安定な場合に音程を安定させることもできます
Gain:ノートの音量を調節する項目です。ほぼ使いませんが、一瞬だけ音量が小さい時などに調整できます
5、問題の箇所の音程を修正する

かのやまー
の「や」ですね。
「や」だけ半音高くしたいのですが、上の画像のとおり「かのや」まで波形が1つに繋がっています。
赤丸のところからハサミツールを持ってきて、矢印部分で切りましょう。

そうすると波形が別々に編集できるようになったので、半音分をグッと押し上げます。

同様に「こぶなつりし」のところも直しましょう。
6、その他気になる箇所の補正
ロングトーンのところが不安定なので、ここはビブラートの項目を補正しましょう。
デフォルトで100%になっているので、56%まで抑えました。

ケロケロボイスにしないための3つのコツ

ピッチ補正でいちばん多い失敗が「直しすぎて機械っぽくなる」ことです。避けるコツは3つあります。
- 全部をパーフェクトピッチにしない……一括で合わせたあと、不自然になった箇所だけ戻します。人の歌はもともと少し揺れているので、揺れを全部消すと機械の声になります
- ロングトーンはVibratoで整える……音程そのものを動かすより、ビブラートの量を抑えるほうが自然に収まります
- 語尾はPitch Driftで調整する……語尾の上がり下がりを消すと歌の表情がなくなります。Pitch Driftなら流れを残したまま整えられます
迷ったら「補正しているとバレないくらい」を目安にしてください。半分くらいの気持ちで十分です。
よくある質問(FAQ)

Q. Flex Pitchを使うのに追加の購入は必要ですか?
A. 必要ありません。Logic Proに標準で入っている機能なので、追加費用はかかりません。
Q. Logic Pro以外のDAWでもできますか?
A. 考え方は同じですが操作は異なります。Cubaseなら「VariAudio」、Studio Oneなら付属の「Melodyne」が同じ役割の機能です。
Q. どのくらいのズレまで直せますか?
A. 半音程度のズレや語尾の不安定さは自然に直せます。メロディを覚え違えている場合や声が裏返っている箇所は、録り直したほうが早くてきれいです。
Q. 補正すると音質は落ちますか?
A. 適度な補正なら気になりません。ただし大きく動かすほど不自然さが出ます。
Q. ハモリにも使えますか?
A. 使えます。ハモリは主旋律と重なるのでズレが目立ちやすく、補正の効果が出やすい部分です。
Q. 毎回補正するのが大変です。根本的に上手くなる方法は?
A. 録りの段階で合っていればMIXは一気に楽になります。
自分のズレ方の癖を一度プロに聴いてもらうのが近道です(シアーミュージックなどは無料体験があります)。
まとめ

今回はLogic Proに内蔵されているピッチ補正ツール【Flex Pitch】の基本的な使い方を、かんたんな例を用いて紹介しました。
これが
こうなりました。
ピッチ補正がスムーズに使えると、MIXの作業効率がかなりアップします。
やりすぎるとケロケロボイスになってしまいますので、補正しているかわからないくらい自然にできるよう心がけたいですね。
また、同様にLogic Proの操作でお困りの方は MASTER OF Logic Pro という書籍が非常におすすめです。
基礎の部分から図解式でわかりやすく説明されていますので、よかったらチェックしてみてください。
当ブログは初心者向け自宅レコーディングに関する記事を中心に発信しています。
さらに、自宅で手軽につくれるCDジャケットの制作方法もありますので、よかったらチェックしてみてください。→【A4用紙1枚でCDジャケット制作】コスパ重視の紙ジャケット簡単自作方法
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました^^
それでは、また。
