- アコギや歌を録音するのにどんな機材が必要かわからない
- 機材は揃ったが、DAWソフトでの録音の手順がわからない
- DAWソフトの設定方法・録音方法のコツがあれば教えてほしい
アコースティックギターや歌を録音するためにはどのような機材が必要で、それらをどのように設置すればいいか悩んでいませんか?
そこで今回、宅録初心者の方向けにオーディオレコーディングの始め方とコツを詳しく解説します。
適切な機材の選び方から設置方法、さらにはDAWソフトの設定や録音のポイントまで、分かりやすくお伝えします。
この記事を読み終えると「初めてアコギや歌をレコーディングするための環境づくり」「実際の録音手順」「良い音で録音するワンポイントアドバイス」が理解できます。
ぜひ最後までご覧ください。
オーディオレコーディングに必要な機材
オーディオレコーディングを始めるためには、いくつかの基本的な機材が必要です。
オーディオレコーディングに必要な機材一覧
- コンデンサーマイク
- マイクスタンド
- ポップガード
- オーディオインターフェース
- DAWソフト
まだ機材を揃えていない方はこちらを参考にしていただけると嬉しいです↓
順番に見ていきましょう。
コンデンサーマイク
マイクは、音声や楽器の音を収録するための不可欠な機材です。
適切なマイクを選ぶことは、高品質な録音を実現するために重要です。
コンデンサーマイクやダイナミックマイクなど、さまざまな種類のマイクがあります。
使用する用途や音の特性に合わせて選ぶことが大切です。
オーディオレコーディングでは主にコンデンサーマイクを用います。
マイクスタンド
マイクスタンドは、マイクを安定して設置するための支持具で、それぞれの用途や環境に応じて選ぶことが重要です。
マイクを手で持つよりも、スタンドに取り付けることで安定した位置で録音することができます。
自分の録音スタイルや使い勝手に合わせて、適切なマイクスタンドを選ぶことで、快適な宅録環境を構築することができます。
卓上マイクスタンド
卓上マイクスタンドは、マイクをテーブルや卓上に直接設置するためのスタンドです。
一般的には固定された高さや角度でマイクをサポートし、手軽に使用することができます。
コンパクトで手軽さがメリットですが、マイク位置の調節ができないためギターの収録には向かない人が多いです。
デスクアームスタンド
デスクアームスタンドは、デスク上に取り付けて使用するタイプのマイクスタンドです。
ブームアームタイプなので、マイクの位置や角度を自由に調整することができます。
これにより、デスク上の作業スペースを広く使いながら、マイクを適切な位置に配置することができます。
スペース効率、安定性、手軽さの面でバランスが良いですが、重いものはつけられないためリフレクションフィルターを諦める必要があります。
ブームマイクスタンド
ブームマイクスタンドは、マイクを長いアーム(ブーム)で支持するスタンドです。
一般的には地面や床に固定され、ブーム部分にマイクを取り付け使用されます。
安定性と操作性が非常に高く、リフレクションフィルターなどの重いものも取り付け可能です。
しかしスペースの制約があるため、ある程度広さがないと設置できないデメリットがあります。
ポップガード
ポップガードは、マイクの前に取り付けるアクセサリーで、発音時に発生する息や風の音を軽減する役割を果たします。
特に歌唱録音などで、パフォーマンス中に口元から発生する気流によるノイズを抑えるのに効果的です。
ポップガードはマイクの品質を保護するだけでなく、クリアな録音を実現するために重要なアイテムです。
オーディオインターフェース
オーディオインターフェースは、マイクや楽器からの音をデジタル信号に変換し、コンピュータに取り込むためのデバイスです。
オーディオインターフェースが無いとPCでデジタル信号に変換できないので、オーディオインターフェースは宅録に必須の機材です。
入力端子や出力端子の数、サンプリングレート、ビット深度などが重要な要素となりますので、自分のニーズや予算に合わせて選ぶことが重要です。
DAWソフト
DAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)ソフトは、録音や編集、ミキシングなどの音楽制作作業を行うためのソフトウェアです。
DAWソフトにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる機能や操作性を持っています。
使いやすさや予算、必要な機能などを考慮して選ぶことが大切です。
DAWソフトは、録音したトラックの編集やエフェクトの追加、ミキシングなどを行うための中核となるツールです。
DAWソフトの比較と選び方については下の記事を参考にしてください。
宅録の入門者必見!DAWソフトの比較と選び方|初心者向けガイド
これらの機材を揃えたら、次にどのように録音するかを考えます。
オーディオレコーディングを始める手順
機材が揃ったら、オーディオレコーディングを始める準備をしましょう。
オーディオレコーディングをスムーズに始める手順
- 録音する場所を選ぶ
- オーディオインターフェイスを接続する
- マイクを設置する
- DAWソフトウェアを起動・設定する
順番に見ていきましょう。
録音する場所を選ぶ
最初に、音声を録音する場所を選びましょう。
音響の良い部屋や、壁がある場所が良いでしょう。
またできるだけ静かな場所を選び、外部からのノイズを避けるようにしましょう。
レコーディングに適しているのは「静かな環境」「音響特性が良い」「充分なスペース」といった場所です。
順番に見ていきましょう。
①静かな環境
レコーディング時には外部からのノイズを最小限に抑える必要があります。
静かな場所であることが重要です。
交通や人の往来が少ない場所や、隣近所からの騒音が少ない環境が理想的です。
また、エアコンや冷蔵庫などの騒音源も避けるようにしましょう。
②音響特性が良い
音響特性の良い部屋でのレコーディングは、クリアで自然な音を得るために重要です。
反響が少なく、適度な音の吸収や拡散が行われる部屋が望ましいです。
次のような場合は反響(部屋鳴り)がしやすいので、吸音材などの対策が必要です。
✔ 部屋に物が少ない状態
✔ 部屋の中心または壁際で録音している
部屋鳴りというのは、音を鳴らしたときに生じる反響音のことです。
引越しの際に、がらんとした部屋で喋ると声が妙に響いた経験はありませんか?
それが部屋鳴りです。
手をパンと鳴らして異様に響く状態であれば、部屋鳴り対策をした方が良いかもしれません。
部屋鳴り対策としてStudiofoamのような吸音材をマイクの後ろ側の壁に貼るだけで改善することがあります。
見た目にこだわらない方は、吸音材の代わりにバスタオルや毛布をマイクの後ろ側に置くと部屋鳴りを軽減できますよ。
③十分なスペース
レコーディングには機材や演奏の配置に十分なスペースが必要です。
マイクスタンドや機材の配置に十分なスペースを確保し、作業中に手や身体がぶつかることがないようにしましょう。
作業スペースが狭いと、操作やマイクの調整が難しくなり、録音品質に影響を及ぼす可能性があります。
※部屋の確保が難しい場合は「クローゼット」が良い
自宅が大通りに面していたり、吸音パネルの設置が難しかったり、スペースが確保できない場合も多いですよね。
部屋の確保が難しい場合は、クローゼットを活用することも一つの方法です。
クローゼット内は、衣類や布が音を吸収してくれるため、自然な音響環境を作り出すことができます。
ただし十分なスペースがあるか確認し、通気性や照明などの面でも問題がないことを確保しましょう。
オーディオインターフェイスを接続する
録音する場所を選んだら、オーディオインターフェイスをPCに接続します。
次に、マイクをオーディオインターフェイスに接続します。
このとき、オーディオインターフェイスとPCを適切に接続し、ドライバーが正しくインストールされていることを確認しましょう。
オーディオインターフェースによってセッティング方法が若干変わってくるので、必ず説明書を見ながら行いましょう。
マイクを設置する
マイクをスタンドに取り付け、適切な高さに調整します。
またポップガードを使用して、息や発声によるノイズを防ぐようにすると良いです。
ボーカルは、マイクからこぶし1個分くらい離れた位置から録るようにしましょう。
ギターの音を録る場合のマイク位置は、サウンドホールから少しネック寄りで下記の画像のようにセッティングするのが良いです。
ギターのマイク位置について詳しく知りたい方は下の記事を参考にしてください。
【最適なマイクの位置は?】宅録アコギのマイキングでこんなに音が変わる!
DAWソフトを起動・設定する
DAWソフトを起動し、入力チャンネルを設定します。
DAWソフトの設定画面から「入力」「出力」の項目がありますので、プルダウンなどで該当オーディオインターフェースを選択してください。
録音前の設定は、人によって様々だと思いますが僕はいたってシンプルです。
すぐ身に付く方法がありますので、こちらを参考にしていただけると嬉しいです。
たった5分でできるマイキングとミキシング|初心者でも手軽に良い音質を手に入れよう
録音開始!
準備が整ったら、録音を開始します。
マイクの位置や音量、レベルメーターなどを常に確認しながら、自分の歌声や演奏を録音しましょう。
以上が、宅録でのオーディオレコーディングの始め方についての解説です。
自宅でレコーディングを行うことは、手軽に音源を作成できるというメリットがあります。
しかし注意点もあるため、今までのポイントをしっかり押さえて行いましょう。
宅録におけるオーディオレコーディングのコツ
いざオーディオレコーディングを始めると、思うように進まないと感じることがあると思います。
そこで、オーディオレコーディングをスムーズに行うための「コツ」を3つご紹介します。
オーディオレコーディングをスムーズに行うコツ
- 録音レベルを揃える
- 無音部分を切り取る
- 複数テイク録る
以下を参考にしていただければ幸いです。
録音レベルを揃える
オーディオレコーディングにおいて、録音レベルの適切な調整は重要です。
適切なレベル設定を行うことで、クリアでバランスの取れた録音結果を得ることができます。
しかし、重要なことだと分かっていても具体的に何をどうすればよいかわかりませんよね。
以下に、録音レベルを揃えるためのコツをご紹介します。
DAWソフトでトラックの入力レベルはいじらず、基本はコンプレッサーとリミッターで調整します。
入力音が小さい部分はコンプレッサーを設定して押し上げます。
また、入力音の大きな部分はリミッターで抑制します。(上限を-0.3dbくらいに設定すると音が多少大きくても割れにくくなります)
ボーカルを複数トラック入れる場合などは、各トラックのコンプレッサーやリミッターやマイクの位置を同様の設定にしておくことが重要です。
無音部分を切り取る
演奏前後の「無音」部分はカットするようにしましょう。
無音部分は静かだからわざわざカットする必要はないんじゃないの?
演奏前後の無音部分には、不要なノイズが録音に含まれてしまうことがあります。
そのトラック単体で聴くと、静寂の中で服の擦れる音や椅子の軋む音などが聞こえるかもしれません。
録音開始・停止ボタンを押す音が入る可能性もあります。
これらの無音部分やノイズは後の編集作業において邪魔となる可能性がありますので、切り取ることが重要です。
以下に、無音部分を切り取るためのコツをご紹介します。
録音した箇所を拡大し、波形で確認しながら不要な部分をカットします。
DAWソフトで波形表示やズーム機能を活用しながら、演奏前後部分を特定しカットしましょう。
コツとしては、直前のブレス音は切り取らないこと、演奏終わりのギターなどは無理に切らずに自然に音がなくなるまで待つことが重要です。
これらに注意し不要な部分をカットすることで、音源のクオリティを向上させることができます。
複数テイク録る
宅録において、複数のテイクを録音することは非常に有益です。
一度の録音では完璧なパフォーマンスを収録するのは難しい場合がありますが、複数のテイクを録音することで、最良の演奏や歌唱を選ぶことができます。
しかし、うまく切り貼りしないと不自然になってしまうことが多いので、注意が必要です。
以下に、複数テイク録音のコツをご紹介します。
まず、演奏や歌唱のパフォーマンスの一部が失敗した場合や、表現力が思うように出せなかった場合でも、すぐに録音をやり直すことができるように準備をしましょう。
また、複数のテイクを録音する際は、録音状態や録音設定を一貫して保つことが大切です。
同じ環境下で、同じマイク、ゲイン設定、エフェクト設定などで録音することで、テイク間のバランスや音質を比較しやすくなります。
例えばLogicの場合「ループレコーディング」という機能があります。
指定した数小節を、同じトラックに繰り返しループしながら録音できる機能です。
ストップせず気が済むまで録音できるので演奏のテンションに差が生まれにくく、ベストテイクを切り貼りしたときの違和感が無くなるのが最大のメリットです。
さらに、テイクごとにメモを残すこともおすすめです。
録音中に特に良いフレーズがあった場合、どのテイクでそのパートが収録されているかをメモしておきましょう。
これによって、後の編集作業で最適なテイクを選ぶ際に役立ちます。
宅録初心者に役立つオーディオレコーディングのまとめ
宅録初心者の方々がオーディオレコーディングを始める際に必要な機材や手順について、以下の内容を詳しく解説しました。
- オーディオレコーディングに必要な機材として、コンデンサーマイクやマイクスタンド、ポップガード、オーディオインターフェース、DAWソフトなどが挙げられます。
- オーディオレコーディングをスムーズに始めるために、録音する場所の選定、オーディオインターフェースとマイクの接続、DAWソフトの起動と設定が重要です。
- オーディオレコーディングのコツとして、録音レベルの揃え方、無音部分の切り取り方法、複数テイクの録音の重要性についてご紹介しました。
これらの情報を参考にして、宅録初心者の方々がスムーズにオーディオレコーディングを始めることができるよう願っています。
素晴らしい音楽制作の道に向けて、ぜひチャレンジしてみてください!
それでは、また。