コンプレッサーは、大きすぎる音を抑えて、そのぶん全体を持ち上げるエフェクトです。

こんにちは!弾き語りライブ歴20年以上、宅録コンテスト「録れコン」ファイナリストのほっしー(@studiohossy)です。

音量差が大きいままだと、どこかに合わせた瞬間、別のどこかが聴こえなくなるからです。

Aメロはアルペジオで静かに、サビはストロークで盛り上げて。
よくある展開ですが、そのまま書き出すと「サビでかっ!」となります。

ここを押さえると、音源がぐっと聴きやすくなります。

コンプレッサーとは、音の大小の差を詰めるエフェクト

コンプレッサーの役割は、録音した音を聴きやすくすることです。
やっていることは以下の2つです。

  • 大きすぎるところを抑える
  • 小さくて聴き取りにくいところを持ち上げる

市販の音源は、Aメロの歌が聴こえにくいということがありません。
コンプレッサーやイコライザーが適切にかかっているからです。

かける前と、かけたあとの波形

同じ演奏を、コンプレッサーなしで書き出したものです。

小さいところと大きいところの差が、そのまま残っています。

こちらが、コンプレッサーを通したものです。

全体の音量と音圧が引き上げられ、端から端まで聴き取れる状態になりました。

5つのパラメーターの意味

コンプレッサーで触るのは、以下の5つです。

  • スレッショルド……どこから効かせるか
  • レシオ……どのくらい潰すか
  • アタック……効き始めるまでの時間
  • リリース……効果が切れるまでの時間
  • メイクアップ・ゲイン……最後に持ち上げる量

順番に解説していきます。

スレッショルド(Threshold)

コンプレッサーが働き始める音量を決めるつまみです。

この値が-10dBなら、音量が-10dBを超えたところから圧縮が始まります。
超えた分だけが抑えられる、という動き方です。

値を-15dB、-20dBと下げるほど深くかかり、0dBに近づけるほど浅くなります。

★このつまみだけは、他人の設定をそのまま真似できません。

効き方は元の音の大きさで決まるので、自分の音を聴きながら決める必要があります。

レシオ(Ratio)

音を圧縮する比率を決めるつまみです。

3:1なら、スレッショルドを超えた分を3分の1まで押さえ込みます。
数字が大きいほど、強く潰れます。

ぎゅっと潰すほどピークは飛び出さなくなりますが、そのぶん不自然な音になります。
バランスが肝心です。

アタック(Attack)

音が鳴ってから、効き始めるまでの時間です。

短くすると鳴ってすぐ圧縮されるので、パキッとした印象になります。

長くすると音の立ち上がりが残るので、元の雰囲気を保ったまま自然に仕上がります。

リリース(Release)

効果が解除されるまでの時間です。
アタックの逆、と覚えると早いです。

値が大きいほど、圧縮された状態が長く続きます。

僕はほぼいじっていません。
まずは他の4つを覚えれば十分だと思います。

メイクアップ・ゲイン(Make-Up Gain)

最後に音量を持ち上げるつまみです。

圧縮しただけだと全体の音量は下がっています。
ここで持ち上げて、元の聴こえ方に戻してあげます。

ほかの音源と聴き比べながら、ちょうどいい位置を探してください。

設定を決める順番

つまみが5つもあると迷いますが、決める順番は決まっています。

  1. メイクアップ・ゲインは0のままにしておく
  2. スレッショルドを少しずつ下げて、効き始める位置を探す
  3. レシオで潰し具合を決める
  4. アタックで音の立ち上がりの残し方を決める
  5. 最後にメイクアップ・ゲインで音量を戻す

先に音量を上げてしまうと、効いているのか大きいだけなのか分からなくなります。
持ち上げるのは最後です。

かけながら、こまめにオン・オフを切り替えて聴き比べてください。
耳はすぐ慣れてしまうので、比べないと判断できなくなります。

弾き語りの宅録で気をつけていること

弾き語りの多重録音では、以下の2つに気をつけています。

かけすぎない
潰しすぎると強弱が消えて、平坦で退屈な演奏になります
設定値を丸写しにしない
効き方は元の音量で決まるので、スレッショルドは必ず自分で合わせます

歌もギターも、小さい音にも意味がある楽器です。
そこを潰しきってしまうと、弾き語りらしさが消えます。

音量差そのものを手で書きたいときは、オートメーションのほうが向いています。

→ オートメーション機能で曲の終わりを美しくする方法……音量の変化を手で書く

よくある質問

コンプレッサーについて、よくいただく質問は以下のとおりです。

  • リミッターとは何が違いますか?
  • どのトラックにかければいいですか?
  • かけすぎると、どうなりますか?
  • ノーマライズでは代わりになりませんか?

順番にお答えしていきます。

リミッターとは何が違いますか?

仕組みは同じ仲間で、リミッターは潰す比率を極端に強くしたものです。

決めた天井から絶対に飛び出させない、という使い方をします。
コンプレッサーは音を整える道具、リミッターは仕上げの番人、というイメージです。

→ 最後の番人リミッターの活躍

どのトラックにかければいいですか?

音量差が大きいトラックからです。
弾き語りなら、まずボーカルに使います。

すべてのトラックに機械的にかける必要はありません。

かけすぎると、どうなりますか?

強弱が消えて、平坦で息苦しい音になります。

聴いていて疲れる音源は、たいてい潰しすぎです。
迷ったら少し戻すくらいでちょうどいいです。

ノーマライズでは代わりになりませんか?

なりません。
ノーマライズは全体を同じだけ持ち上げるだけなので、大小の差は残ったままです。

→ ノーマライズとは?宅録でほぼ使わない理由

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関連記事で気になるものがありましたらご覧いただけると嬉しいです。

まとめ

コンプレッサーは、音の大小の差を詰めて聴きやすくするエフェクトです。

  • スレッショルド……どこから効かせるか。自分の音で決める
  • レシオ……どのくらい潰すか
  • アタック……立ち上がりを残すかどうか
  • リリース……最初はいじらなくてよい
  • メイクアップ・ゲイン……最後に音量を戻す

決める順番は、スレッショルド → レシオ → アタック → 最後にゲイン。

オン・オフを切り替えながら、かけすぎていないか確かめてください。

コンプレッサーを制するものは宅録を制す。
ここが分かると、音源の聴こえ方が一段変わります。

わからないことがあれば、コメントやメッセージでお気軽にどうぞ。

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ABOUT ME
ほっしー
サラリーマンをしている宅録系ブロガー。 『宅録をしたことのない人が、機材を揃えて作品を作ったり「歌ってみた」「演奏してみた」などで自由に表現できるようになる』をテーマに日々ブログを書いています。 宅録でアルバム3作品をすべて自分で制作した経験あります。 島村楽器主催の宅録コンテスト【録れコン】で全国約3000曲の中から最終選考ノミネートされました。