ハミングの正しいやり方と享受できる効果を徹底解説!
音楽を趣味にしている方や、かつて音楽に親しんでいた方にとって、歌は大きな楽しみの一つです。しかし、周囲の目や声帯への負担が気になり、多くの方は思うように歌えません。
こんにちは!弾き語りライブ歴20年以上、ギター講師の経験もあるほっしー(@studiohossy)です。
ボイトレの記事はたくさんありますが、「まず何から始めればいいか」で迷ったら、答えはハミングです。
理由は単純で、声を張らないので喉を痛めようがなく、口を閉じたままできるので家族や近所を気にせず練習できるから。歌の練習でいちばん多い挫折理由が「音が出せる場所がない」なので、これは大きい利点です。
しかも地味なわりに効きます。ハミングで身につく「響きの位置を保つ感覚」は、そのままミックスボイスやエッジボイスの土台になります。
実際、ボイトレのレッスンでウォームアップに必ずと言っていいほど登場します。
→ 発声全体の基本から知りたい方は正しい発声練習とは?、歌の上達法を広く知りたい方は歌がうまくなる方法3選もどうぞ。
ハミングとは口を閉じたまま鼻から音を出す技法

ハミングは、口を閉じたまま鼻から音を出す発声技法です。音程やピッチの感覚を養うのに効果的で、歌唱の基礎練習として広く用いられています。
ハミングは声の共鳴や響きを感じやすいため、リラックス効果もあります。趣味で音楽を楽しむ方も、気軽に取り入れやすい発声方法です。
» 音程がわからない原因とは?改善方法を詳しく解説
ハミングの正しい姿勢と呼吸法
ハミングの練習を効果的に行うためには、正しい姿勢と呼吸法が重要です。リラックスした状態で背筋を伸ばし、肩の力を抜くと、声の質を向上できます。
以下のポイントを意識しながら、ゆっくりと丁寧にハミングを行いましょう。
- 足を肩幅に開く
- 首や顎の力を抜く
- 腹式呼吸を意識する
- 鼻から吸い、口を軽く閉じる
- 息をゆっくり均一に出す
正しい姿勢と呼吸法を意識すると、より自然な声で音を出せます。顔の筋肉をリラックスさせ、柔らかい表情を心がけましょう。
喉に力を入れずに、頭部や胸部を共鳴させてください。呼吸のリズムを整え、一定のテンポでハミングを続けると、より効果的な練習を行えます。
» 歌が上手くなる腹式呼吸の練習方法を解説
ハミングで得られる3つの効果

ハミングは地味な練習ですが、歌ううえで土台になる部分がまとめて鍛えられます。歌の上達という観点で、得られるものは次の3つです。
1. 響きの位置が固定される(いちばん大きい)
ハミングをすると、鼻の奥から目のあたりにかけてビリビリとした振動を感じます。これが「響きの位置」です。
歌のレッスンで「頭に響かせて」「鼻に抜いて」と言われることがありますが、その感覚がまさにこれです。ハミングなら口を閉じているぶん、振動が分かりやすくなります。
ここで覚えた位置を保ったまま口を開けて歌う——というのが、ミックスボイスの入り口になります。→ ミックスボイスの正しい出し方
2. 音程を確かめやすい

ハミングは声量が小さく、言葉も乗らないので、音程だけに集中できます。
歌詞を歌うと、発音に気を取られて音程が甘くなることがあります。まずハミングでメロディをなぞってみると、自分がどこで外しているかがはっきりします。
3. 声を出せない環境でも練習できる
実用面ではこれが大きいです。
口を閉じたままなので声量が出ず、家族が寝ている時間でも、アパートでも練習できます。歌の練習でいちばん多い挫折理由が「音を出せる場所がない」なので、ここは見逃せない利点です。
なお、ハミングにはリラックス効果や健康への効能を挙げている情報も見かけますが、この記事では歌がうまくなるという観点に絞ってお伝えしています。
ハミングの正しいやり方

やることは単純です。口を閉じて、鼻から「ンー」と鳴らす。それだけです。
ただし、効くやり方とそうでないやり方があります。順番に見ていきましょう。
ステップ1:口は「閉じる」であって「結ぶ」ではない
唇はそっと合わせるだけ。歯は軽く離しておきます。
ここを間違えて口をぎゅっと結んでしまうと、口の中の空間がつぶれて響きません。口の中に空洞がある状態をイメージしてください。奥歯の間に指1本ぶんの隙間があるくらいが目安です。
ステップ2:自分が楽に出せる音で「ンー」
最初は高い音を狙わないでください。いちばん楽に出る音域で構いません。
音量も出さなくて大丈夫です。むしろ「小さすぎるかな」と思うくらいがちょうどよく、大きくするとただの発声練習になってしまいます。
ステップ3:どこが震えているかを確かめる
鳴らしながら、鼻の脇や頬骨のあたりに指を軽く当ててみてください。振動が伝わってきたら正解です。
何も感じない場合は、喉のあたりだけで鳴らしている可能性があります。少しだけ音程を上げると、響く位置が上に移動して分かりやすくなります。
ステップ4:音程を上下させてみる
響きの位置が分かってきたら、ゆっくり音程を上下させます。サイレンのように滑らかに動かすのがコツです。
このとき、響いている位置が動かないように意識してください。音程が上がると響きも上がってしまいがちですが、位置を保てるようになると歌の声が安定します。
息が続かない、途中で揺れるという方は、呼吸から見直すと早いです。→ 歌うための腹式呼吸のやり方
ハミングをするときの注意点

ハミングは負担の小さい練習ですが、次の2点だけ気をつけてください。
大きな音を出そうとしない
ハミングは音量を出す練習ではありません。大きく鳴らそうとすると喉に力が入り、響きを感じ取れなくなります。
目安は「自分にだけ聞こえるくらい」。物足りなく感じるかもしれませんが、それで十分効きます。
鼻がつまっている日はやらない
ハミングは鼻から音を出すので、鼻づまりの日は響きがまったく感じられません。
うまくいかないと感じたとき、実は体調のせいだったということがよくあります。無理に続けず、その日は別の練習に切り替えてください。
ハミングをやっても効果が出ないときの見直しポイント

「毎日やっているのに変化がない」という場合、たいてい次のどれかに当てはまります。
- 音量を出しすぎている……ハミングは大きな音を出す練習ではありません。自分にだけ聞こえるくらいで十分です。音量を上げると、それはもう普通の発声になってしまいます
- 唇に力が入っている……口は「閉じる」であって「結ぶ」ではありません。歯は軽く離し、唇はそっと合わせるだけ
- 鼻がつまっている……ハミングは鼻から音を出すので、鼻づまりの日は響きが感じられません。体調のせいなので、その日は無理をしないでください
- 高い音ばかりやっている……最初は自分がいちばん楽に出せる音域だけで大丈夫です。楽な音で響きを感じられないうちに音域を広げても、力むだけになります
- 時間が長すぎる……1回2〜3分を毎日、で十分です。長くやるほど効くものではありません
特に多いのが1つ目です。「小さすぎるかな」と思うくらいが、ちょうどいいと考えてください。
ハミングに関するよくある質問

ハミングについてのよくある質問を紹介します。ハミングを行う際の口の形や、ハミングに最適な音域について解説しています。
回答を参考にして、より効果的なハミングの練習を行ってください。
» 音域の基本知識から音域チェック方法、曲の選び方まで解説!
ハミングのときの口の形は?
ハミングを行う際は、口を軽く閉じて唇をリラックスさせてください。リラックスした状態を保ちながら、歯を少し離して自然な位置に舌を置きます。
顎に力を入れすぎないよう注意しましょう。正しい口の形を意識すると、より美しいハミングを行えます。以下のポイントを意識しながら、ハミングの練習を行いましょう。
- 口を軽く閉じる
- 唇をリラックスさせる
- 歯を少し離す
- 舌は自然な位置に置く
- 顎に力を入れすぎない
口の形だけでなく、顔全体のリラックスも大切です。口角を少し上げ、頬を自然に保ちましょう。顔全体をリラックスさせると、より自然なハミングができます。
鼻呼吸も忘れてはいけません。豊かな音色を生み出すために、ハミングの口の形をしっかり練習しましょう。
どのような音域がハミングに最適?
ハミングに適しているのは、中音域(ミドルボイス)です。中音域は声帯に負担をかけにくいため、多くの人が無理なく発声できるからです。
中音域は胸声と頭声の切り替わり付近にあたり、ハミングの効果を最大限に引き出せます。具体的には、男性の場合はC3〜C4程度、女性の場合はG3〜G4程度が適しています。
ただし、声域には個人差があるので、自分に合った快適な音域を見つけましょう。最初は低音から中音にかけての音域で始め、徐々に音域を広げていく方法がおすすめです。
無理に高い音を出そうとすると、声帯に余計な負担がかかるため、高音域は避けましょう。無理のない音域でハミングを楽しんでください。
ハミングの次に取り組みたいこと

ハミングで「響きの位置」がつかめてきたら、次はそれを実際の歌に応用していく段階です。
- ミックスボイスの正しい出し方……ハミングで作った響きを保ったまま高音を出す技術。ハミングの直接の応用先です
- エッジボイスの出し方……声帯を閉じる感覚をつかむ練習。ハミングと組み合わせると効果的
- ウィスパーボイスの出し方……息を多めに使う表現。声量を落とす練習という点でハミングと相性が良いです
- 腹式呼吸のやり方……ハミングが続かない方は呼吸から見直しを
- 音程がわからない人の直し方……ハミングは音程の確認にも使えます
- 音域チェック完全ガイド……自分が楽に出せる音域を知っておくと、練習が的確になります
- タングトリル……舌の脱力。ハミングとセットでウォームアップに
ハミングは地味ですが、ここを飛ばして先に進むと結局戻ってくることになります。急がば回れの代表みたいな練習です。
なお「自分のハミング、これで合っているのかな」と不安になったら、一度プロに聴いてもらうのが早いです。シアーミュージックやBeeミュージックスクールは無料体験があるので、確認だけしてもらうという使い方もできます。
ハミングは簡単そうに見えて、響かせる場所を間違えたまま続けてしまいがちです。
そういうときは、一度だけ人に聴いてもらうのがいちばん早い方法です。
ずっと通う必要はありません。無料体験だけでも「いまのやり方で合っているか」は分かります。
→ ボイトレ教室おすすめ5選|無料体験ありの音楽教室を比較
まとめ

ハミングは、口を閉じて鼻から「ンー」と鳴らすだけの練習です。器具も場所も要りません。
大事なのは3つだけです。
- 音量を出さない……自分にだけ聞こえるくらいで十分
- 歯は軽く離す……口の中に空洞を作る
- 響いている位置を確かめる……鼻の脇や頬骨に指を当てて振動を感じる
ここで覚えた「響きの位置」は、そのまま歌うときの土台になります。1回2〜3分を毎日——それだけで十分です。長くやるほど効くものではありません。
響きの位置がつかめてきたら、次はそれを高音に応用する段階です。→ ミックスボイスの正しい出し方
