宅録の音が安っぽくなる原因と直し方|凝らない・素材を増やさない

録音して重ねた音が、なんだか安っぽく聴こえます。
機材が悪いんでしょうか…。

たぶん、凝りすぎです。
素材を減らすほうが良くなることが多いですよ。
こんにちは!弾き語りライブ歴20年以上、宅録コンテスト「録れコン」ファイナリストのほっしー(@studiohossy)です。
音が安っぽくなる原因は、たいてい「凝ろうとすること」と「不要な素材に手を出すこと」です。
作品の方向性と合わない素材を足すほど、その音だけが浮いて聴こえるからです。
弾き語りなら特に、これだけ?というくらいシンプルなほうが良いです。
目的は「自分の弾き語りの魅力を引き立たせること」ですから。
「安っぽい」ってどういうこと?

具体的には、こういう状態です。
- 打ち込みに強弱がない
- そのサウンドだけ浮いているように聴こえる
いかにも「不慣れながらコンピュータでやりました」と聴こえるやつです。
安っぽくなってしまう3つの原因

原因はだいたいこの3つです。
- 作品の温度や方向性とかけ離れた素材を使っている
- 打ち込みのベロシティやクオンタイズを無視している
- エフェクトのかけ方が不自然
どれも共通して、ほかの素材と組み合わせたときに混ざらないという結果になります。
打ち込みに抑揚をつける
2つめについては、対処法がはっきりしています。
強さのばらつきや、わずかなタイミングのズレをつけると実際に演奏しているような抑揚が出ます。
音源そのものを見直すのも有効です。
付属のサウンドライブラリは、ほかのトラックと馴染みやすくつくられています。
安っぽくない音とは

逆に、安っぽく聴こえない作品には共通点があります。
- 作品の方向性がしっかりしている
- 実際に演奏しているような抑揚のある打ち込み
- 必要なエフェクトを理解している
ひとことで言えば、作者の意図が見える作品ということです。
これは音楽に限った話ではない

同じことは、ほかの分野でもよく見られます。
スーパーに貼られている地元のイベントポスターで考えてみましょう。
「手作り感満載だなぁ」と、一度は思ったことがあるはずです。
フォントの選び方、配色、構図。
写真や挿絵の雰囲気と、文字や内容の雰囲気が合っているか。全体にメリハリがあるか。
ちょっと凝ってみたいから、なんだかきれいだから。
そういう理由でフォントを斜体にしたり、光が射し込むエフェクトを多用したり。
20年前の中小企業のホームページかな、みたいなテイストになってしまう。
いまは無料でも良い素材が揃っています。
大切なのは、フリーでも有料でも素材の選び方・活かし方です。
「全部乗せ」より「ちょい足し」

弾き語りはギター1本と歌だけ。とてもシンプルです。
ストロークやアルペジオの手癖、歌い方、声の乗せ方、ギターと歌の抑揚。シンプルなのに、そこには個性しか残りません。
だから主役は最初から弾き語りそのものです。重ねるトラックは、その主役を引き立てるためのものでしかありません。
頭の中では鳴っているけれど、ギター1本では出せない。そこを埋めるのが「ちょい足し」です。全部乗せではありません。
生の楽器の音には、もうひとつ良いところがあります。
生楽器の音は、時代がついても古くなりにくいのです。シンセの音は「あの頃の音だね」と分かることがありますが、アコギの音はアコギの音のままです。
そして構成がシンプルであればあるほど、余白の部分を聴き手が想像して埋めてくれます。聴き手が完成させてくれるから、いつ聴いても新鮮に感じられる。
音を足すというのは、その余白を自分で埋めてしまう行為でもあります。だから、足す前に一度考えてみてください。
- それは主役の邪魔をしていないか
- 聴き手の想像の余地を消していないか
- その1本を抜いたら、本当に物足りないか
抜いて成立するなら、抜いたほうが良い作品になります。
何を足すか迷ったら、バンドに例える
それでも何か足りない、と感じることはあります。
そういうときはバンドだったらどのパートが抜けているかで考えてみてください。
オケがフワフワして落ち着かないなら、足りないのはたいてい低音かリズムです。
弾き語りなら、ミュートしながらベース音中心にコードを弾いたトラックを1本足すだけで安定します。新しい音源を探しに行く必要はありません。
当てずっぽうに重ねるのと、足りないパートを名指しして1本足すのとでは、結果がまるで違います。
よくある質問

音が安っぽくなる問題について、よくいただく質問は以下のとおりです。
- 良い音源を買えば解決しますか?
- エフェクトはどのくらいかければいいですか?
- シンプルにすると物足りなくなります
- 自分の作品の方向性が分かりません
順番にお答えしていきます。
良い音源を買えば解決しますか?
解決しないことが多いです。
浮いて聴こえる原因は音源の値段ではなく、作品との相性と使い方だからです。
エフェクトはどのくらいかければいいですか?
必要なぶんだけ、が答えになります。
かけたあとにオンとオフを切り替えて、本当に良くなっているかを確かめてください。
シンプルにすると物足りなくなります
物足りないのではなく、聴き慣れていないだけのことが多いです。
一晩置いてから聴き直すと、印象が変わります。
自分の作品の方向性が分かりません
ここがいちばん難しいところです。
自分の演奏を客観的に見てもらうと、自分の持ち味がどこにあるのかが言葉になって返ってきます。
オンラインのレッスンは、ほとんどの教室が無料体験を用意しています。
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まとめ

デザインでも宅録でも、初心者に共通して言えることは同じです。
- 凝ろうとしない
- 不要な素材に手を出さない
弾き語りの場合は特に、これだけ?というくらいシンプルなほうが良いです。
目的は「自分の弾き語りの魅力を引き立たせる」ことですから。
足すより減らす。
迷ったときは、この順番で考えてみてください。
わからないことがあれば、コメントやメッセージでお気軽にどうぞ。
