アコギの200〜600Hzを-3dB削る。
それだけで、埋もれていた歌が前に出てきます。

こんにちは!弾き語りライブ歴20年以上、宅録コンテスト「録れコン」ファイナリストのほっしー(@studiohossy)です。

イコライザーは引き算です。ぶつかっている帯域を削るほうが、上げるより早く聴きやすくなります。

録音は音を重ねていく作業なので、同じ周波数の音同士が必ずぶつかるからです。
ぶつかったところがモヤモヤの正体です。

弾き語りなら、男性ボーカルの芯は200〜800Hzあたり。
そこに重なるアコギの200〜600Hzを削るだけで、歌がはっきり出てきます。

そのまま真似できる例として使ってください。

イコライザーとは、周波数ごとに音を上げ下げする道具

音には、低いものから高いものまで周波数の幅があります。
人が聴き取れるのは、およそ20Hz〜20,000Hzと言われています。

各トラックのこの帯域を、削ったり持ち上げたりして整えることをイコライジングと呼びます。

コンプレッサーやリミッターと同じくらい、いえ、それ以上に大事な作業です。

イコライザーは引き算

録音は、足していく作業です。
音を重ねて、重ねて、もう1トラック重ねて。

すると同じ帯域がぶつかって、重なった音がモヤモヤしたり、埋もれる音が出てきます

やりがちな失敗

こういう流れになりがちです。

  1. ベースを録ったら、ギターが聴こえにくくなった
  2. ギターの中音域を上げて、コンプレッサーも強めにかけた
  3. 今度はボーカルが聴こえにくくなった
  4. ボーカルの400Hzあたりも持ち上げた

一度やってみると分かりますが、これでは無理やり詰め込んだような音になります。

大事なのは、トラック単体ではなく全体のバランスを見ること
そのためには、やはり引き算です。

弾き語りでのイコライジング具体例

男性ボーカル・アコギバッキング・ベースの3本を想定します。
それぞれの主な帯域は、だいたい以下のとおりです。

  • 男性ボーカル……200〜800Hz
  • アコギストローク……100〜2000Hz
  • ベース……100〜200Hz

順番に解説していきます。

ボーカルが主役

約200Hz〜1000Hzあたりが、ボーカルの芯になる部分です。

まずはここを残し、ほかの楽器の200Hz〜800Hzあたりを抑えめにする
これが出発点だと思っています。

残りの帯域も、なるべくぶつからないように振り分けていきます。

アコギバッキング……200〜600Hzを広めに-3dBくらいカット

ベース……50Hz以下はほぼカット。200Hz前後を広めに-4dBほどカット

全トラックに共通して言えること

どのトラックでも共通してやっていることが3つあります。

100Hz以下と10000Hz以上を自然にカット
いわゆるローカット・ハイカット。これだけですっきり聴こえます
1000〜10000Hzでブーストする箇所をつくる
ぶつからないように鋭く+6dBくらいをピンポイントで。艶が出ます
マスタートラックで倍音のかたまりを削る
2200Hz、2500Hzを-7〜8dBカットするとすっきりする場合が多いです

高音域のブーストは、アコギのピッキングやパーカッションのキレが良くなります。
ボーカルの印象も明るくなります。

マスタートラックのカットは、必要に応じて2700、2900、3100Hzも足してよいです。

モヤモヤするときの考え方

Aトラックが聴き取りにくいとき、Aを触りたくなります。
でも、まず疑うのはB以下のトラックです。

B以下のぶつかっている帯域を削るだけで、Aが格段に聴きやすくなります

手順としては、こう進めています。

  1. 聴き取りにくいトラックを決める
  2. そこと重なっていそうな別のトラックを探す
  3. 重なっている帯域を、そちら側で削る
  4. 全体を通して聴き直す

削って足りなくなったと感じたら、そこで初めて少し持ち上げます。

よくある質問

イコライジングについて、よくいただく質問は以下のとおりです。

  • この数値をそのまま真似すればいいですか?
  • イコライザーとコンプレッサー、どちらが先ですか?
  • パンとの使い分けはどうしますか?
  • どんな環境で聴きながら作業すればいいですか?

順番にお答えしていきます。

この数値をそのまま真似すればいいですか?

あくまで一例です。

イコライジングは100プロジェクトあれば100通り以上のやり方がありますし、録音環境にも大きく左右されます。

真似すればそのとおりになる、というものではありません。
出発点として使って、そこから自分の耳で決めてください。

イコライザーとコンプレッサー、どちらが先ですか?

僕はイコライザーで住み分けてから、コンプレッサーで整えています。

ぶつかったままの音を潰しても、モヤモヤは残ったままだからです。

パンとの使い分けはどうしますか?

左右に逃がすのがパン、周波数で逃がすのがイコライザーです。

両方を半分ずつ使うと、どちらもやりすぎずに済みます。

パンの振り方|ボーカルとギターの定位を決める

どんな環境で聴きながら作業すればいいですか?

削った・削っていないの差は、聴く環境で分かりやすさが変わります。

細かい帯域を確かめるならヘッドホン、全体のバランスならスピーカー。
両方で確かめると失敗が減ります。

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まとめ

イコライジングでいちばん大事なのは、引き算です。

  • 聴き取りにくいトラックではなく、ぶつかっている相手を削る
  • 100Hz以下と10000Hz以上は自然にカットする
  • 持ち上げるのは、削ったあとで足りないと感じたときだけ

ここに書いた数値は、あくまで僕の一例です。録音環境が違えば答えも変わります。

経験のなかで自分のイコライジング感覚を養うことが、いちばんの糧になります。

まずはアコギの200〜600Hzを少し削ってみてください。
歌の出方が変わるのが分かるはずです。

わからないことがあれば、コメントやメッセージでお気軽にどうぞ。

ABOUT ME
ほっしー
サラリーマンをしている宅録系ブロガー。 『宅録をしたことのない人が、機材を揃えて作品を作ったり「歌ってみた」「演奏してみた」などで自由に表現できるようになる』をテーマに日々ブログを書いています。 宅録でアルバム3作品をすべて自分で制作した経験あります。 島村楽器主催の宅録コンテスト【録れコン】で全国約3000曲の中から最終選考ノミネートされました。