「YouTubeの収益化は登録者1,000人・再生時間4,000時間から」——そう覚えている方は多いと思います。

こんにちは!弾き語りライブ歴20年以上のほっしー(@studiohossy)です。

その数字は間違いではありませんが、いまはその手前にもう1段、ハードルの低い入口があります。

拡充版YouTubeパートナープログラムができたためです。
登録者500人でも、ファンから直接支援を受け取れるようになりました。

広告収益はまだですが、メンバーシップやスーパーチャットが使えます。

条件は、登録者500人+直近90日に公開動画3本以上+直近12か月の総再生時間3,000時間(またはショート動画の視聴300万回)。
1,000人まで遠くても、500人なら見えてくる数字ではないでしょうか。

つまり、いま置くべき目標は1,000人ではなく500人です。
この記事では、2段階になった収益化の条件、広告の仕組み、広告以外の収益源をまとめました。

後半では音楽チャンネルならではの注意点——カバー曲を投稿したときに広告収益がどこへ行くのか、という話も扱っています。ここを知らずに始めると、あとでがっかりすることになります。

チャンネル開設からの流れはこちらです。
» YouTubeの始め方|準備から収益化方法までまるごと解説!

YouTube収益化は「2段階」になっている

収益を受け取るには、YouTubeパートナープログラム(YPP)に参加する必要があります。
この参加基準が、いまは2段階に分かれています。

第1段階(拡充版YPP)第2段階(広告収益)
チャンネル登録者500人以上1,000人以上
直近90日の公開動画3本以上
総再生時間(直近12か月)3,000時間以上4,000時間以上
またはショート動画の視聴回数直近90日で300万回以上直近90日で1,000万回以上
使えるようになるものメンバーシップ/スーパーチャット等広告収益・Premium収益

「総再生時間」と「ショート動画の視聴回数」はどちらか一方を満たせばOKです。
両方必要なわけではありません。

兼業で音楽をやっている方にとって、この第1段階は現実的な目標です。1,000人まで遠くても、500人なら見えてきます。

しかも第1段階で使えるのは、広告より単価の高い「ファンからの直接支援」です。少人数でも熱心に応援してくれる人がいれば成立します。

なお、ショート動画による再生時間は4,000時間の計算には入りません。
長い動画とショート動画は、別々に数えられます。

パートナープログラムに参加する条件と手順

登録者数のほかに、どちらの段階でも共通で必要な条件があります。

共通で必要な条件

  • YouTubeのチャンネル収益化ポリシーを守っている
  • YPPが提供されている国・地域に住んでいる(日本は対象)
  • 有効なコミュニティガイドラインの違反警告がない
  • Googleアカウントで2段階認証を有効にしている
  • YouTubeの上級者向け機能を使える状態になっている
  • AdSenseアカウントをチャンネルにリンクしている

意外な落とし穴が2段階認証です。
設定していないと、条件を満たしていても申請に進めません。先に済ませておきましょう。

コミュニティガイドラインの違反警告も要注意です。
過去に一度でも受けていると、警告が有効な間は参加できません。

申請の手順

  1. YouTube Studioの左メニューから「収益受け取り」を開く
  2. 条件を満たしていれば申し込みボタンが出るので、そこから申請する
  3. パートナープログラムの利用規約に同意する
  4. AdSenseアカウントを作成またはリンクする
  5. 審査結果を待つ

審査には通常1か月程度かかります。
待っている間も、いつもどおり投稿を続けて構いません。

条件を満たしていない段階でも、収益受け取りのページから「あと何人・あと何時間か」を確認できます。
進み具合が見えるので、目標として使えます。

広告で収益を得る仕組み

第2段階に進むと、動画に広告を入れられるようになります。
クリエイター側で選べるのは、主に以下です。

動画再生前の広告(プレロール)
本編が始まる前に流れます。もっとも一般的な形です。
動画再生中の広告(ミッドロール)
本編の途中に入ります。8分以上の動画でのみ使えます。
動画再生後の広告(ポストロール)
本編が終わったあとに流れます。
スキップ不可の広告
視聴者が飛ばせない短い広告です。オンオフを選べます。

実際に表示される広告の種類は、視聴者や端末によってYouTube側が決めます。
こちらで指定できるのは「どこに入れるか」「スキップ不可を許すか」までです。

なお、以前あった動画下部の「オーバーレイ広告」は2023年4月に廃止されています。
古い解説記事に出てくることがありますが、いまは設定項目にありません。

ミッドロールは8分がひとつの分かれ目

動画の途中に広告を入れられるのは、8分以上の動画だけです。
広告の数が増えるので、収益にはっきり差が出ます。

ただし、収益のために内容を薄めて8分に引き伸ばすのは逆効果です。

途中で離脱されれば、その先の広告は再生されません。
中身が5分で終わる動画は5分で出したほうが、結果的に伸びます。

広告を増やせば増えるわけではない

広告の挿入位置は、自動と手動から選べます。
自動に任せると多めに入る傾向があるので、演奏動画では手動をおすすめします。

曲の途中で広告が入ると、視聴者はかなりの確率で離れます。演奏が続いている場所に広告を置かないよう、手動で位置を決めましょう。

曲と曲の間、話が一区切りついたところ——そういう「切れ目」に置くのが基本です。

広告以外でYouTubeを収益化する方法

むしろ音楽チャンネルでは、こちらのほうが本命になり得ます。

スーパーチャット・スーパーステッカー

ライブ配信中に、視聴者がお金を送りながらコメントできる機能です。
いわゆる投げ銭にあたります。

弾き語り配信との相性は抜群です。
路上ライブでケースにお金を入れてもらう感覚に近く、リクエストと一緒に届くこともあります。

送れる金額の範囲や1日の上限は変わることがあるので、実際の数字はYouTubeヘルプで確認してください。

配信のやり方はこちらにまとめています。
配信ライブを簡単にはじめる方法

スーパーサンクス

ライブ配信ではなく、通常の動画に対して送れる投げ銭です。

配信をしない方でも使えるので、歌ってみたや演奏動画を上げているチャンネルでも収益につながります。
「良かった」と思ってもらえたときに受け取れる形です。

チャンネルメンバーシップ

月額制のファンクラブのような仕組みです。
提供できる特典には以下があります。

  • メンバー限定の絵文字やバッジ
  • メンバー限定の動画・ライブ配信
  • メンバー限定のコミュニティ投稿
  • 複数の料金プラン

音楽系なら、未公開の弾き語り音源、練習中の様子、制作の裏側といった特典が用意しやすいです。

広告と違って再生数に左右されず、毎月決まった額が見込めるのが強みです。
ただし特典を毎月用意する手間はかかるので、続けられる範囲で始めましょう。

アフィリエイト

概要欄に機材や書籍のリンクを置き、購入されたら報酬を受け取る方法です。

YPPの条件とは無関係に、登録者が少ないうちから始められます。
収益化までの道のりが長い音楽チャンネルでは、これが最初の収入になることも多いです。

ただし、実際に使っている物だけを紹介してください。
良いところも悪いところも正直に話したほうが、結果的に信用されます。

歌ってみたの機材はこれだけでOK

YouTube Premiumの収益分配

Premium会員は広告なしで動画を見ますが、その視聴時間に応じてクリエイターに収益が分配されます。

こちらで何か設定する必要はなく、広告収益と同じ第2段階の条件を満たしていれば自動的に対象になります。

音楽チャンネルで収益化を目指すときの現実

ここは、あまり書かれていない部分です。
ですが、知らずに始めると必ずつまずきます。

カバー曲の広告収益は自分に入らないことがある

歌ってみたや演奏してみたは、他人の曲を使っています。

YouTubeにはContent IDという仕組みがあり、権利者が「この動画は自分の曲を使っている」と申し立てると、その動画の広告収益は権利者側に渡ります。

これは違反やペナルティではありません。動画は消えませんし、チャンネルにも傷は付きません。ただ、その動画からの広告収益は自分のものにならない、というだけです。

再生数が伸びた歌ってみたが1本あっても、収益がまったく増えない——ということが実際に起こります。

だからこそ、カバー中心のチャンネルほど、広告以外の収益源が重要になります。
スーパーサンクスやメンバーシップは、この影響を受けません。

歌ってみたの著作権はどこまでOK?

オリジナル曲と解説動画は自分の収益になる

逆に言うと、以下は影響を受けません。

  • オリジナル曲の演奏・音源
  • 機材レビューや宅録の解説
  • 練習方法・音楽理論の解説
  • 制作過程を見せる動画

カバーで人を集め、解説動画で収益を得る——この組み合わせが、音楽チャンネルの現実的な形です。

収益より先に来るものがある

正直なところ、兼業で音楽をやりながらYouTubeの広告収益だけで生活するのは、現実的ではありません。

ただ、動画を出し続けることで得られるものはあります。

  • 演奏を聴いてくれる人ができる
  • ライブや音源リリースのときに届く先ができる
  • 録音や編集の腕が上がる

収益はその副産物、くらいに構えておくほうが長続きします。

条件を満たすためにやること

第1段階(登録者500人)を目指すなら、やることは絞れます。

90日以内に3本という条件を切らさない

拡充版YPPには「直近90日間に公開動画3本以上」という条件があります。

3か月に3本なので、月1本のペースで足ります。
ただし止まると条件から外れるので、忙しい時期用のストックを1本作っておくと安心です。

視聴時間が伸びる作りにする

登録者数より、総再生時間のほうが積み上がりにくい条件です。
効くのは以下です。

  • 再生リストにまとめて、続けて見てもらう
  • 終了画面で次の動画を出す
  • 冒頭を短くして、すぐ本編に入る
  • シリーズものを作る

YouTubeエンディングと終了画面の作り方
YouTubeオープニング動画の作り方

検索から入ってくる動画を1本持つ

演奏動画だけだと、知らない人には見つけてもらえません。

「◯◯の使い方」「◯◯のやり方」のように、検索されて見つかる動画を作ると、後からじわじわ再生時間が積み上がります。

宅録や機材の話は、こちらの型に合います。
自分が最初につまずいたことを解説するのが、いちばん作りやすいテーマです。

クリックされるかどうかはサムネイル次第です。
YouTubeサムネイルの作り方

収益化するときの注意点

お金が絡むと、気をつけることが増えます。
特に大事な2つを挙げます。

音源をそのまま使わない

カバー曲を投稿するときの原則です。

  • 自分で演奏・歌唱した音を使う
  • 市販CDや配信音源をそのまま流さない
  • カラオケ音源を使う場合は、その音源の利用条件を確認する
  • BGMは利用条件のはっきりした素材を使う

著作権のルールは変わることがあります。
投稿前にYouTubeヘルプと、使う音源の配布元の最新の記載を確認してください。

歌ってみたの音源はどこで手に入る?

税金の扱いを確認しておく

会社員が副業で収入を得た場合、給与以外の所得の合計が年間20万円を超えると、確定申告が必要になります。

ここで言う「所得」は、収入から必要経費を引いた金額です。
マイクや編集ソフトなど、動画制作に使ったものは経費になる可能性があります。

なお、所得が20万円以下でも住民税の申告が必要になる場合があります。また、勤務先が副業を認めているかどうかも別の問題です。

税金の扱いは個人の状況で変わります。実際の判断は、国税庁のサイトを確認するか、税務署や税理士に相談してください。

収益が発生し始めたら、金額と経費のメモだけは早めに付け始めておくとラクです。

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関連記事で気になるものがありましたらご覧いただけると嬉しいです。

まとめ

YouTubeの収益化は、いま2段階になっています。

  • 登録者500人+90日で3本+総再生時間3,000時間(またはショート300万回)……メンバーシップやスーパーチャットが使える
  • 登録者1,000人+総再生時間4,000時間(またはショート1,000万回)……広告収益とPremium収益が加わる

音楽チャンネルの場合、カバー曲の広告収益は権利者に渡ることがあります。広告だけを当てにせず、スーパーサンクス・メンバーシップ・アフィリエイトを組み合わせるのが現実的です。

まずは2段階認証を有効にして、90日に3本のペースを守るところから始めましょう。

わからないことがあれば、コメントやメッセージでお気軽にどうぞ。
一緒に良いチャンネルを作っていきましょう。

ABOUT ME
ほっしー
サラリーマンをしている宅録系ブロガー。 『宅録をしたことのない人が、機材を揃えて作品を作ったり「歌ってみた」「演奏してみた」などで自由に表現できるようになる』をテーマに日々ブログを書いています。 宅録でアルバム3作品をすべて自分で制作した経験あります。 島村楽器主催の宅録コンテスト【録れコン】で全国約3000曲の中から最終選考ノミネートされました。