Adaptive Limiterの使い方|Limiterとの使い分けと設定【Logic Pro】
✔ リミッターに種類があることを知らなかった
✔ LimiterとAdaptive Limiterの違いを知りたい
✔ どの場面でどちらを使うのか知りたい
こんにちは!弾き語りライブ歴20年以上、宅録コンテスト「録れコン」ファイナリストのほっしー(@studiohossy)です。
ミックス中の各トラックとマスターにはLimiter、マスタリングの最後だけAdaptive Limiterを使っています。
Adaptive Limiterは音圧を強く稼げる代わりに、かなりの遅れ(レイテンシー)が出るからです。
作業中に挿しっぱなしにすると、録音も演奏も気持ちよくできません。
だから最後の一回だけ、と決めています。
この記事では、2つのリミッターの違いと、僕が実際にやっている使い分けをまとめました。
そもそもリミッターとは何なのか、という方は以下の記事からどうぞ。
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LimiterとAdaptive Limiterの違い

同じリミッターでも、狙いが違います。
- Limiter
- 音圧を稼ぐためではなく、天井をつくるためのもの。ふだんはこちらを多用する
- Adaptive Limiter
- 音圧をかなり上げられて、より強固な天井をつくれる。ここぞという時だけ
Adaptive Limiterを使えば、ノーマライズよりも音量を上げることができます。
Adaptive Limiterを多用しない理由

強いなら常に使えばいい、とはなりません。
Adaptive Limiterを差し込むと、かなりの音の遅れが発生します。
録音中や演奏中にこれが起きると、弾いた音が遅れて返ってきます。
とても作業できる状態ではありません。
だからミックス中はLimiter、最後の仕上げだけAdaptive Limiter、と分けています。
実際の使い分け

僕がやっている使い分けは、以下のとおりです。
Limiter → ミックス時の各トラックとマスタートラックに差し込む
Adaptive Limiter → マスタリング時のマスタートラックのみに差し込む
どちらもプラグインの選択画面から呼び出します。
Dynamics → Limiter または Adaptive Limiter を選択してください。
Adaptive Limiterの設定

触るのは以下の2つだけです。
- Gain
- 初期状態で3dB上がっています。ここはそのままでよく、これだけで音圧はかなり上がります
- Out Ceiling
- 天井をどこに置くか。僕は-0.3〜-0.1dBに設定しています
Out Ceilingは0dBでも構いません。
それでも少し下げておくのは、万が一飛び出しても大丈夫なようにという保険です。
一般的にも、このくらいが推奨されています。
仕上げの流れ

マスタリングでやっているのは、順番にこうです。
- ミックスを終える(各トラックとマスターにLimiter)
- マスタリングでMS処理をする
- 最後にAdaptive Limiterを差し込む
この最後のひと差しで、かなり聴きやすくなります。
MS処理については以下の記事にまとめてあります。
よくある質問

2つのリミッターについて、よくいただく質問は以下のとおりです。
- Adaptive Limiterを各トラックに挿してもいいですか?
- 遅れが出ているかどうかは、どう分かりますか?
- Adaptive Limiterだけで仕上げてもいいですか?
- 音圧はどこまで上げていいですか?
順番にお答えしていきます。
Adaptive Limiterを各トラックに挿してもいいですか?
おすすめしません。
挿した数だけ遅れが積み重なります。
各トラックはLimiterで天井をつくれば十分です。
遅れが出ているかどうかは、どう分かりますか?
録音や演奏をしてみると、返ってくる音が遅れているのですぐ分かります。
仕組みの話は、レイテンシーの記事にまとめてあります。
Adaptive Limiterだけで仕上げてもいいですか?
役割が違うので、両方使うほうが安定します。
ミックスの段階で各トラックの天井を決めておかないと、混ぜたときに飛び出したぶんを最後に押し込むことになります。
音圧はどこまで上げていいですか?
上げるほど良いというものではありません。
押さえ込みすぎると音が潰れて、聴いていて疲れる音源になります。
ほかの音源と聴き比べながら決めてください。
あわせて読みたい記事

関連記事で気になるものがありましたらご覧いただけると嬉しいです。
- リミッターの使い方|音圧を上げて音割れを防ぐ……リミッターの基本
- コンプレッサーの使い方|5つのパラメーターの意味……音の大小を整える
- MS処理とは?Logic Proで音を左右に広げる手順……仕上げの一歩前
- レイテンシーとは?音の遅れの原因と対処法……遅れが出る仕組み
- 2MIXの書き出し方法と注意すべき点……書き出して完成
- 宅録機材の完全ガイド……仕上がりの音量感を底上げしたい方へ
まとめ

2つのリミッターの使い分けは、以下のとおりです。
- Limiter……ミックス時の各トラックとマスタートラックに
- Adaptive Limiter……マスタリング時のマスタートラックのみに
Adaptive Limiterは強力ですが、遅れが出ます。作業中は挿さないでください。
MS処理のあと、最後の仕上げとして一度だけ。これで十分に効きます。
道具は同じでも、置く場所で結果が変わります。
この順番だけ覚えておいてください。
わからないことがあれば、コメントやメッセージでお気軽にどうぞ。






クラシックギター独奏録音後のLimiterとAdaptive Limiterの使い分けで教えてください。
クラシックギター独奏曲で自分の演奏をコルグMTRD888、コンデンサマイク2本で録音後、Logic Pro Xでマスター音源を読み込み編集しています。通常はプラグイン等は使用してしませんが、時々録音時のピーク設定がうまくいかず、音量が小さい時に限りAdaptive Limiterを使っています。今まではアウトプットの部分にAdaptive Limiterを使っていました。
この記事を読ませていただき、LimiterとAdaptive Limiterの使い分けがわかりました。私は今まで入力音源についてはいじらず、アウトプットだけAdaptive Limiterを使い -0.1db限度でゲイン調整していましたが、入力部分にLimiter又は音量フェーダーで調整してからアウトプットにAdaptive Limiteをかけたほうがいいのか、アウトプットはいじらなくていいのか、今まで通りでいいのか、アンサンブルではなくギター独奏曲録音のためよくわかりませんので教えていただけませんか。
コメントありがとうございます。
MTRで録音後、Logic Pro Xで編集されているのですね。
でしたらLogic側では1トラックの編集になるので、個別トラックとマスタートラックどちらにリミッターを挿してもらっても変わりないですね!
仰る通り、音量フェーダーはいじらず音量が小さい時に限りAdaptive Limiterで-0.1db限度でゲイン調整、が良いと思います。
もしコンプレッサーを使用していなければ、まずコンプレッサー優先で「音圧の底上げ」を行ってください。
足りない部分を最後にAdaptive Limiterで補うイメージが良いかと思います☆
特に、クラシックギター独奏などの場合タッチや抑揚が重要な要素だと思うので、僕ならAdaptive Limiterの設定はマイルド目にかけ(ゲイン)無理に音をつぶしすぎないように注意するかなと思います。
参考になれば幸いです!
また何かありましたら気軽にコメントいただけると嬉しいです♪
本を読んでもわからなかったので、助かりました。コンプレッサーは使用していなかったので参考になります。