ノーマライズは、音が割れない範囲まで全体の音量を持ち上げる機能です。宅録の曲づくりでは、ほぼ使いません。

こんにちは!弾き語りライブ歴20年以上、宅録コンテスト「録れコン」ファイナリストのほっしー(@studiohossy)です。

上がるのは音量だけで、聴こえの太さ(音圧)は変わらないからです。
しかも、混ざっているノイズも一緒に大きくなります。

僕が音量そのものに触るのは、コンプレッサーを外しても浮いているトラックを下げるときと、曲の終わりをフェードさせるときくらいです。

この記事では、ノーマライズが何をする機能なのかと、代わりに何で音量を整えるのかをまとめました。
言葉の意味だけ知っておけば十分、という話でもあります。

ノーマライズとは、割れない範囲まで音量を上げる機能

ノーマライズは、いちばん大きい部分が割れる直前に届くまで、全体を同じだけ持ち上げる処理です。

全体を等しく持ち上げるので、大きい音と小さい音の差(ダイナミクス)は変わりません
音量つまみをきれいに上限まで回した状態、と考えると近いです。

音圧を上げる処理とは別もの

よく混同されるので、並べておきます。

ノーマライズ
全体を同じだけ持ち上げる。音量は上がるが、聴こえの太さは変わらない
コンプレッサー
大きい音を抑えて、そのぶん全体を持ち上げる。音の密度が上がる
リミッター
決めた天井から飛び出させない。仕上げの音量をそろえる

「もっと前に出したい」と思って押すなら、ノーマライズでは解決しません

宅録の曲づくりでノーマライズをほぼ使わない3つの理由

使わない理由は以下の3つです。

  • 音圧は上がらない
  • ノイズも一緒に大きくなる
  • 音量を整える手段がほかにある

順番に解説していきます。

音圧は上がらない

欲しいのはたいてい「前に出てくる感じ」です。
これは音の大小の差を詰めることで出るもので、全体を持ち上げても手に入りません。

密度を上げたいなら、コンプレッサーやリミッターの仕事になります。

ノイズも一緒に大きくなる

持ち上がるのは楽器の音だけではありません。

エアコンの音、部屋の反響、マイクのサーというノイズ。
消したいものまで、同じだけ大きくなります

静かなところほど、この差は目立ちます。

音量を整える手段がほかにある

そもそも、録音のときにフェーダーは0のままです。
入ってくる音量はマイクや機材側で決めています。

ミックスでは、小さすぎる音はコンプレッサーで押し上げ、飛び出す音はリミッターで抑えます。
この2つで足りるので、ノーマライズの出番が残らないわけです。

音量を調整したいときにやること

場面ごとに、使うものが決まっています。

録音の音量が小さい
フェーダーではなく、マイクやオーディオインターフェース側の入力で決める
トラックごとの音量差が大きい
コンプレッサーで大小の差を詰める
それでも1本だけ浮いている
そのトラックのフェーダーを下げる
曲の終わりを自然に消したい
オートメーションで音量を書く
最後に全体の音量をそろえたい
リミッターで天井を決める

それぞれのやり方は、以下の記事にまとめてあります。

ノーマライズが役に立つ場面

使わないと書きましたが、機能そのものが悪いわけではありません。
使いどころの問題です。

向いているのは、音量がバラバラな素材を、ひとまず聴ける大きさにそろえたいときです。

  • 動画のセリフやナレーションが小さいとき
  • 会話や打ち合わせの録音を聴きやすくしたいとき
  • 録りためた素材の音量差をざっとそろえたいとき

こうした場面では、ひとつ押すだけで済むので重宝します。
音楽の仕上げに使う道具ではない、というだけの話です。

よくある質問

ノーマライズについて、よくいただく質問は以下のとおりです。

  • ノーマライズすると音は悪くなりますか?
  • 書き出し(バウンス)のノーマライズはオンにすべきですか?
  • 録音した音が小さすぎたときはどうすればいいですか?
  • 配信サイトに上げるときは音量を上げておくべきですか?

順番にお答えしていきます。

ノーマライズすると音は悪くなりますか?

持ち上げること自体で音が濁るわけではありません。
ただしノイズも同じだけ大きくなるので、結果として粗が目立つことはあります。

オーディオファイルに直接かける形だと、あとから元に戻せない場合があります。
試す前に、元のファイルは残しておいてください。

書き出し(バウンス)のノーマライズはオンにすべきですか?

書き出しの画面にもノーマライズの設定があります。
基本はオフのままで問題ありません

リミッターで仕上げの音量を決めているなら、そこから勝手に持ち上げられると狙いが変わってしまうからです。

録音した音が小さすぎたときはどうすればいいですか?

いちばん確実なのは録り直しです。

小さく録れた音を持ち上げると、ノイズも一緒に上がります。
マイクの距離や入力の音量を見直して、もう一度録ったほうが早いです。

配信サイトに上げるときは音量を上げておくべきですか?

動画サイトや配信サービスの多くは、再生するときに音量をそろえる仕組みを持っています。

上げれば上げるほど有利、ということにはなりません。
それより、音の大小のバランスを整えておくほうが効きます。

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まとめ

ノーマライズは、割れない範囲まで全体の音量を持ち上げる機能です。

  • 音量は上がるが、音圧は上がらない
  • ノイズも一緒に大きくなる
  • 曲づくりでは、コンプレッサーとリミッターで足りる

言葉として知っておけば十分な機能です。ミックスで押す場面は、まず出てきません。

音量で困ったときは、コンプレッサーで大小の差を詰めることから試してみてください。

道具はたくさんありますが、使う場面が決まっているものは覚えることも少なくて済みます。

わからないことがあれば、コメントやメッセージでお気軽にどうぞ。

ABOUT ME
ほっしー
サラリーマンをしている宅録系ブロガー。 『宅録をしたことのない人が、機材を揃えて作品を作ったり「歌ってみた」「演奏してみた」などで自由に表現できるようになる』をテーマに日々ブログを書いています。 宅録でアルバム3作品をすべて自分で制作した経験あります。 島村楽器主催の宅録コンテスト【録れコン】で全国約3000曲の中から最終選考ノミネートされました。