弾き語りの多重録音では、ボーカルは中央、ギターは左右どちらかに少しだけ振るのが基本です。

こんにちは!弾き語りライブ歴20年以上、宅録コンテスト「録れコン」ファイナリストのほっしー(@studiohossy)です。

ボーカルとギターは音の高さが近く、同じ場所に置くとお互いを覆い隠してしまうからです。

実際に僕の作品でも、メインのバッキングギターは左に少しだけ、サブは右に少しだけ振っています。
ほんの少しずらすだけで、ボーカルの通り方がはっきり変わります。

作例の音源も置いてあるので、耳で確かめながら読んでみてください。

パン(PAN)とは、音の左右の位置を決めること

パンは、その音を左右のどこから鳴らすかを決めるつまみです。

中央に置いた音は正面から、左に振った音は左の耳から強く聞こえます。

すべてを中央に置くと、音が団子になって前に出てきません。
左右に散らしてあげると、それぞれに居場所ができて聴き取りやすくなります。

バンド編成でよく使われる基本形

バンドの場合は、次の振り方が基本形として知られています。

  • ボーカル……中央(C)
  • ベース……中央(C)
  • 高音の楽器……左(L)
  • 低音の楽器……右(R)

もうひとつ、ステージ上の並びをそのまま定位にするという考え方もあります。
左に立っているメンバーの音は左から、という具合です。

どちらも「必ずこうする」というルールではありません。最後はミックス全体のバランスで決めます。

慣れてくると、自分の好みの定位が自然と決まってきます。

弾き語りの多重録音でのパンの振り方

僕が弾き語りの多重録音でやっている振り方は、以下のとおりです。

  • ボーカル……中央(C)
  • メインのバッキングギター……左右どちらかに少しだけ
  • サブのバッキングギター……メインと反対側に少しだけ
  • ギターソロ・オブリガード……バッキングより外側
  • ベース……中央(C)

順番に解説していきます。

ボーカルは中央に置く

弾き語りの主役は歌です。
ボーカルはほぼ100%センターに置いています。

正面から聴こえることで、いちばん近くに感じられます。

メインのバッキングギターは、少しだけ振る

ギターも本当はセンターに置きたいところですが、そうするとボーカルと真正面からぶつかります。

かといって思いきり左右に振ってしまうと、弾き語りらしさが消えます。
目の前で弾いている感じがなくなってしまうんですね。

試しにほんの少しだけ左か右に振ってみてください。
それだけでボーカルとの重なりがほどけて、両方が聴こえるようになります。

サブのバッキングギターは反対側へ

ギターを2本重ねているなら、サブはメインと反対側に同じくらい振ります。

左右のバランスが取れて、真ん中のボーカルがきれいに浮かびます。

ギターソロやオブリガードは外側へ

ソロやオブリガードは、バッキングと重なると埋もれてしまいます。
バッキングよりもう少し外側に置くと、輪郭が立ちます。

歌のないところで主役として聴かせたいときは、中央のままでもかまいません。
バッキングとぶつかるかどうかで決めています。

ほかの楽器が入るときは、高音を左・低音を右

パーカッションやキーボードが入るときは、バンドの基本形が参考になります。

高音の楽器を左、低音の楽器を右。
迷ったらここから始めて、あとで微調整すれば大丈夫です。

振る量は「少しだけ」で十分です。振った・振らないが分かる程度から試してみてください。

左右いっぱいまで振ると、ヘッドホンで聴いたときに片耳だけがうるさく感じられます。

実際の作例で聴いてみる

文字で読むより、耳で聴くほうが早いです。
僕の多重録音を2曲、置いておきます。

この曲のパンは、こう振っています。

ボーカル → 中央(C)
コーラス → 若干右寄り
メインバッキングギター → 左に少しだけ

サブバッキングギター → 右に少し
ベースギター → 中央(C)
ソロギター → バッキングより外側(右)

かなり基本に忠実な振り方だと思います。

もう1曲、コーラスを重ねたものです。

ギター → 中央(C)
ソプラノ → 左(L)
アルト → 少し左寄り
テノール → 右(R)

こちらはステージに並んだときの位置をそのまま定位にした例です。

パンで失敗しないための3つのコツ

気をつけているのは以下の3つです。

  • イコライザーと組み合わせる
  • 振りすぎない
  • 聴く環境で確かめる

順番に解説していきます。

イコライザーと組み合わせる

パンだけで住み分けようとすると、どうしても振りすぎになります。

ボーカルとギターがぶつかっている帯域は、イコライザーで削るほうが早いです。
左右に逃がすのと、周波数で逃がすのを半分ずつ。これがいちばん自然にまとまります。

振りすぎない

弾き語りは、目の前で一人が歌って弾いている音楽です。

大きく振るほど、その距離感が壊れます。
バンドのつもりで振ると、弾き語りではやりすぎになりがちです。

聴く環境で確かめる

パンは、聴く環境によって印象が変わります。

片方のスピーカーだけ壁に近い部屋では、振った量を正しく判断できません。
ヘッドホンとスピーカーの両方で確かめると、失敗が減ります。

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僕も所有しています。よかったらチェックしてみてください。

よくある質問

パンについて、よくいただく質問は以下のとおりです。

  • どれくらい振ればいいですか?
  • ボーカルを左右に振ってもいいですか?
  • パンとイコライザー、どちらを先に触りますか?
  • モノラルで録った音でもパンは振れますか?

順番にお答えしていきます。

どれくらい振ればいいですか?

弾き語りなら、振ったことが分かる程度で十分です。

少しずつ動かして、ボーカルとギターが両方聴こえた位置で止めてください。

ボーカルを左右に振ってもいいですか?

メインのボーカルは中央が基本です。

ただしコーラスやハモリは左右に振ると効果的です。
脇を左右に開けると、真ん中のメインがはっきり立ちます。

パンとイコライザー、どちらを先に触りますか?

僕は音量とパンで居場所を決めてから、それでも重なるところをイコライザーで削ります。

先に左右へ散らしておくと、削る量が少なくて済みます。

モノラルで録った音でもパンは振れますか?

振れます。
モノラルの音を左右のどこに置くかを決めるのがパンです。

ステレオで録った音の場合は、左右の広がり幅を調整する操作になります。

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まとめ

弾き語りの多重録音でのパンの振り方は、以下のとおりです。

  • ボーカル……中央(C)
  • メインのバッキングギター……左右どちらかに少しだけ
  • サブのバッキングギター……メインと反対側に少しだけ
  • ギターソロ・オブリガード……バッキングより外側

大事なのは振りすぎないこと。弾き語りは、目の前で演奏している距離感が持ち味です。

そして、パンとイコライザーはセットで考えること。左右で逃がして、足りないぶんを周波数で削ります。

まずはメインのギターを少しだけ振るところから試してみてください。
それだけで、歌の聴こえ方が変わります。

わからないことがあれば、コメントやメッセージでお気軽にどうぞ。

ABOUT ME
ほっしー
サラリーマンをしている宅録系ブロガー。 『宅録をしたことのない人が、機材を揃えて作品を作ったり「歌ってみた」「演奏してみた」などで自由に表現できるようになる』をテーマに日々ブログを書いています。 宅録でアルバム3作品をすべて自分で制作した経験あります。 島村楽器主催の宅録コンテスト【録れコン】で全国約3000曲の中から最終選考ノミネートされました。